「はりまや橋から高知城までの東西軸エリア活性化に係るプラン検討会」に対する意見
(高知城 追手門が手前)
高知県庁の総務部政策企画部という部署が、「パブリック・コメント」を募集していたようなので、期限である3月18日に提出してみました。
関連サイト http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/111601/touzai.html
高知県 総務部 政策企画課御中
課長 井奥男様
「はりまや橋から高知城までの東西軸エリア活性化に係るプラン検討会」の審議の様子をホームページで見ました。
私なりにの意見をまとめました。
1県民がせっかく出した意見ですので、ご検討の上お返事をいただきましたら幸いです。
検討している内容や、検討会での意見を一読しました。感想は「なんら新しい観点がない」ということです。
私なりの意見や感想を述べてみたいと思います。
1)検討委員の人選の問題
あいかわらず行政の担当部署の役職者や商工会議所や商店街のお歴々が名前を連ねている。出席してもかまわないが、あまりにご多忙な人達ばかりなので、事務局は日程調整が主な仕事で「終わる」と思います。
問題なのは「都市計画の専門家が不在」ということ。
都市の構造や、流れ、高知市の特色について総合的な観点から議論が行われていないことが、議論が盛り上がらない理由であろう。
国会議員の福井照さんは都市計画の専門家です。「風水での都市都市計画」など面白い観点からの議論を聞かせていただきました。
http://www.nc-21.co.jp/dokodemo/bbs3/08fukui.html
もう1人若い人です。野本靖さん。筑波大学大学院の出身。都市計画や公共交通の活用法に詳しく、論客でもある。彼のブログは面白い。地元高知の逸材です。
http://yassiblog.cocolog-nifty.com/blog/cat13870937/index.html
風水の観点(環境と共存した都市計画・主にドイツの都市計画)や、公共交通の活用はバンクーバーなどの豊富な事例があり、トランジット・モールなどの観点が「はりまや橋から高知城までの東西軸エリア活性化」が必要であると思いますね。
2)地主と買い物客不在の検討委員会
元中心市街地商店街(大橋通りからはりまや橋商店街のアーケード街を言います。現在の高知市の中心商店街は残念ながらイオン・モールです。)は、少数の地主が土地を所有しています。
町田氏、三谷氏、鈴木氏らです。地主の協力なしに「活性化」はできません。
もともと英国で提唱されたT・M・O(タウン・センターマネジメント)は地主の中心市街地への投資増大・誘導策でした。
それと検討委員に「買い物客」がいません。場なれた「市民」は買い物客代表とは言えません。
わたしの2人の子どもたちは、かつて付属中學と追手前高校へ通学していました。「お父さんわたしら商店街が開いているのを見たことがない。」と言っていました。
朝の通学時はそれは閉まっているのは仕方がありません。部活を終えて帰る時刻には、既に商店街はシャッター通りに。将来の「顧客」をみすみす商店街が「見捨て」います。
小津高校、丸の内高校、土佐女子中高校などもあり、多くの若者たちに「商店街は活力がない」ことを毎日日にち「教育」しているようなものです。そうした学校へ通学する若い人は4000人程度いるのです。
将来の「顧客」達の意見も聞かれる必要があるとは思います。
3)街全体を博物館にする発想の共有化を
10年ぐらい前から松山市の中村時広市長は「坂の上のまち構想」を事あるごとに提唱されてきました。
http://www.city.matsuyama.ehime.jp/sakakumo/1177934_912.html
いまでこそ松山市でチームが出来上がっていて、記念館も出来ています。当初は「街全体が博物館」「箱物はいらない」と市長が言っていました。
博物館が出来る前から松山市はこつこつと取り組んできました。2002年当時その姿勢に着目し、私なりにレポートしていました。もう8年も前の事なのです。
http://www.city.matsuyama.ehime.jp/sakakumo/1177934_912.html
アメリカの大都市ニューヨークにもコンパクトですが、街全体が博物館である地区がありました。「サウスストリート・シーポート・ミュージアム」です。
ウォール街から海岸ふちの商業モールであるピア17までの道路は昔の石畳で舗装され、当時の倉庫はそのまま博物館や商業施設として活用されていました。
http://www.nc-21.co.jp/dokodemo/whatnew1/maruoka/maruoka2.html(その一部の記録)
高知の街もそういう「景観保存地域」があってしかるべき。もしくは再現する必要性があるでしょう。
土佐電鉄の路面電車も「走る博物館」という貴重な歴史資源であると思います。には
4)文化施設の集約化と集客装置の設置
元高知市中心市街地商店街には「集客装置」がありません。映画館もコンサートホール(2000人収容の規模)がないのです。
正直イオンで映画をみても「興ざめです」車で行くしかなく、「気軽さ」はありません。
高知に四国四県の音楽興業を仕切っているDUKEという会社の本社が帯屋町にあるのに、その活用は全くなされていません。
10年以内に高知大丸は撤退する可能性があります。毎年100数人以上定年退職されているのに、新人の補充がほとんどありません。
また親会社の見解は「現在人口44万人に1つ百貨店があるが、その7割が赤字。適正規模は100万人に1つ。適正化を図る。」(日本経済新聞)と公言しています。
ダイエーシュッパーズや大丸の跡地をどうするのか。高知西武は地元物産販売店舗つきの外見に配慮したパチンコ店舗に決まりました。
2000人収容のコンサートホール、映画館は必要です。議論ではその観点が欠落しています。
また空き店舗対策として、FMラジオ局のサテライトスタジオを設置するなども必要です。メディア・インターネットとの複合的な情報発信が「はりまや橋から高知城までの東西軸エリア」には必要であるからです。
以上とりとめもない意見でしたが、1県民としての申し上げました。
(追伸)
よく県庁は「パブリック・コメント」を募集しながら、せっかく意見を具申しても「なしのつぶて」であることが多いです。そうであるならば掲示しないようにしてください。
ちゃんとした回答がなければ県民は意見を県庁に言う事はなくなるでしょう。
(複製されたはりまや橋の木橋。手前は横山隆一氏制作のモニュメント)
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