大失業時代の到来
図書館で「文系・大学卒。30歳以上は首になる」(深田和範・著)を借りてきて読みました。リーマン不況の最中2008年7月頃の著作。筆者自身もある大企業の人事部長を歴任。リストラ最前線におられ、ご自身もリストラされた経歴。それだけに説得力があります。
「ホワイトカラーは会社において存在しない法が良い」(P57)と言い切ります。
「ホワイトカラーは「経営者の補助」という意味目的があるだけ。
それ以上のものがあるわけではない。
あくまで「補助」であるから経営者が「自分でやる」と言い出せば、あるいは他の者(例えば現場の管理職が経営者を補助すると言い出せばホワイトカラーは不要となる。」(P57)なのです。
筆者は日本の勤労者のうち100万人は不要な人材であると言います。それは「文系で、大学卒で、30歳以上のホワイトカラー」であると。
大企業が明確にそれを目標にリストラしているので、大学生の就職難は当たり前であるということなのです。
多くの大企業のホワイトカラーは、リストラされても多くは再就職できないだろう。「受け皿」がない深刻さがあるといいます。
現場部門は非正規雇用者を増やし、景気の変動で簡単に雇用調整が出来る。現在日本の大企業で「固定費」部門で高賃金なのは、正社員のホワイトカラー。ここへ経営者は手をつけないと会社は弱体知ると筆者は警告しています。
日本語が堪能で有能な外国人社員が増えてきたり、また大企業がグローバル化して、英語が社内の会話手段になると、英語ができない社員は不要になる。日本人正社員でないといけない理由は喪失します。遂にここまで来たのかと言う感想です。
「やがて景気は回復する」のではありません。日本の総人口が2004年をピークに減少している現実では、市場が大きくならないので、大企業本体の間接部門(正社員のホワイトカラー)大幅削減しないと、大企業は生き残れない時代になりました。
大学生もその現実を見据え就労活動をしないといけない時代になりました。大変な時代なのです。
| 固定リンク
コメント