「本田宗一郎との100時間」を読んで
「本田宗一郎との100時間」(城山三郎・著・PHP)を図書館で借りて読みました。本田宗一郎氏は随分前に亡くなられているし、城山三郎氏も3年ほど前に亡くなられています。見たことない本でした。やはり2010年1月11日に発刊されていました。新刊でした。
引退後の本田宗一郎氏に,城山三郎氏が4日間密着して聞きとっておられる。埼玉のヘリポート場から、鈴鹿市や東北の本田技研関連施設をヘリで訪問。ホテルにも一緒に滞在して城山氏がレポートしています。
本田宗一郎氏の肉声を切り取っています。
「他の物と違って,食物と車は命に関わるからな。妥協はできん。「妥協するなたやめろ」といつもどなってきた。」(P22)
やはりホンダらしい。トヨタは「金儲けに走り,顧客の安全をないがしろにした」企業でした。
本田宗一郎氏は、超有名人ですし、伝記などは何度か読んでいますし,多くは「どこかで読んだな」という内容ではありました。でも本田氏のユニークな人柄はよく描かれています。印象に遺る以下の言葉がありました。
「学校での問題は、「すぐデータを取りたがる」こと。そこにいくつか危険がある。本田の言葉をまとめると。
1・方便たるべきデータに振り回される危険。
2・データの要る物といらぬものをごっちゃにする。
3・データの結果は同じでも、よって来る原因が違うが、そこを見落としてしまう。
4・書類をつくるとなにか出来たような自己暗示にかかる・データをとっているだけで、えらいような気がしてくる危険。
本田は締めくくるようにいった。
「うちの効率が高校だと,半年調べたといって部厚い報告書をよこしたやつがいる。わしはいってやった。
おまえさん、いちばん効率の悪いことをしてくれたな」(P85)
退屈しないキャラクターと丁寧な記述。一気に読めました。
最近の日本では「ものづくり」をばかにする間違った傾向がありました。2000年以降の清和会の自民党政権(森ー小泉ー安倍ー福田)の時代が「最悪」でした。トヨタは凋落の象徴でありました。
ホンダは違いますね。一族経営はしないし、経営者の「引き際」が素晴らしい。こういう日本人に皆ならないといけないと思いました。
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