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2010.05.06

今の時代は幕末・維新期より厳しい

 2010年のNHK大河ドラマ「龍馬伝」が好調のようです。この連休は観光資源の乏しい高知県にも大河ドラマ効果があったようです。大きくは「最後のETC遠来乗り組」であり、混雑だけ。ゴミだけだったりが殆どでしたが、少しは土産物や宿泊が増加はしていたようです。

 それで大河ドラマでは、黒船が押し寄せたり,外国の圧力で,日本がアジア諸国のように植民地化され,欧米の奴隷になる。「攘夷」(異国船を撃ち払う)を実行スべきと,封建時代の身分の違いを超えて日本中が沸き立っていた時代がありました。

 あの危機意識は相当なものでした。

 事実米艦隊長官のペリー提督は,幕府が開国に応じなければ、琉球を占拠し,植民地にし軍事拠点にすべしとの上申書を米国大統領に送付していました。

 ペリーは琉球に2ヶ月間も居座り,沖縄本島の測量し、海図も制作してようです。1945年4月の米軍による沖縄上陸作戦に活用されたかどうかは定かではありませんが,アメリカはそのペリーの時代から沖縄に目をつけていたのです。

現在はアメリカの巨大な基地が沖縄に「居座る」状態にいるので,幕末・維新期よりも事態は難しいのです。日本はアメリカ,ロシア、中国という核大国に国境を直接接しています。それに加え北朝鮮という軍事独裁国家の不安定要因も隣国だし、韓国という反日色の強い国とも隣国であります。

 自民党も鳩山首相も「抑止力を考えた場合,沖縄から米国海兵隊をすべて撤退させることはできない。一部はいてもらわないといけない。」と言っています。

 しかし慣用語で使われる「抑止力」は,米軍が実際に駐留している沖縄はその恩恵を受けることはありませんでした。むしろ戦後の沖縄県での米兵の犯罪(殺人・強盗・婦女暴行・傷害)などは5000件を超え、米軍による交通事故だけではなく,墜落事故などは日常茶飯事であり、米軍の駐留は脅威であっただけなのです。
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(2004年8月には普天間基地の米海兵隊基地が隣接する沖縄国際大学へ墜落炎上しました。)

 長年自民党政府は「迷惑料」として沖縄振興策や公共投資をしてきましたが、失業率の改善や県民所得の向上にはつながりませんでした。基地から受ける恩恵よりも,迷惑の方が大きいのです。

 また米軍基地が撤去されなくなった方が,経済発展することを,沖縄の人達は感じたし,実際にそうだったことが証明されたのです。ですので保守系や経済界までが米軍普天間基地撤去、県外・国外移設を声を揃えて4月25日の「県民大会」へ参加したのですから。

 最近談合記者クラブマスコミを眺めてみると「鳩山首相の軽さがこうなった。」「せっかく米国も合意した辺野古沖合基地がベストなのに、さもアイデアがあるやに言って混乱させてしまった。」と非難がましいことを言いたてております。

 しかし辺野古移設案にはは沖縄の人達は強硬に反対していました。一部の土建業者を除けば。「普天間基地撤去・県外・国外移設」は沖縄県民共通の意志になったのです。
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 日本政府も米国政府も民主主義国を標榜するので荒れば,無視することは絶対にできないはずです。

 徳之島の移設も反対が強いから無理でしょう。沖縄の基地を他県へ移設すことが無理であることが日本国民にわかりしめただけでも鳩山内閣の「ご功労)というべきでしょう。

 問われるのは「日米安保体制」なのです。米軍の存在が是が非なのか。

「抑止力は外国だけではなく、日本を軍事大国にしないためにアメリカが沖縄に軍隊を置いているのです。」そこをきちんと理解しないと,今までの自民党政権のように,「沖縄県だけ犠牲になってもらいましょう。」という外交姿勢になるのです。それがおかしいので政権交代したのですから。

 簡単な問題ではありませんが,大いに議論をすべきでしょう。

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