沖縄から世界が見える
日本はアメリカ,ロシア,中国という核兵器を持つ軍事大国と国境を接しています。実に難しいところに位置しています。世界広しと言えど、3国の軍事大国に囲まれた国は恐らくないと思います。
幕末維新期も、黒船という当時の新兵器が出没し、ロシアやアメリカ,欧州諸国の脅威がありました。このままでは日本はインドや中国のように欧米諸国の植民地になる。その危機感が庶民レベルまで浸透し、「攘夷」の熱が国を動かしました。
当時も日本に開国を強要した米国艦隊司令官ペリーは,幕府が開国を拒めば琉球を軍事占領する算段をし、そのため沖縄本島各地を測量し、海図をこしらえていたそうです。
その海図が役に立ったのかどうかはわかりませんが,1945年4月に米軍は沖縄本島に上陸し,軍事占領しました。軍政を経て日本に施政権を返還された後も、日本の米軍基地の75%が沖縄につき座っています。
4月24日高知市で講演された知花昌一さん(読谷村議)は「沖縄から日本がよく見える」と言われていました。
「中央部=都市部から辺境=地方には,多くの人々に見られたくないものが押し付けられる。「見られたくないもの」からこの国の本質がよく見える。
迷惑施設=産廃.原発、軍事基地など。最も必要とし,最も恩恵を受けているのは中央部=都会であるが最も見えにくくされている。」
このところの談合記者クラブマスコミの報道姿勢は「日米同盟のきしみ」「抑止力がなくなれが大事」「辺野古で決まっていたのに反故にしたからややこしくなったのだ。)という論調。
基地を押し付けられ虐げられてきた沖縄の人たちをきちんと取材もしていません。沖縄の人達にとって米軍基地は、事故や犯罪が起こり、しかも基地へ逃げ込んだら地元警察も手が出せない治外法権でやられ放題。大迷惑施設そのもの。
「抑止力」というが、暴力装置以外なにものではなかった米軍基地なのです。地元への経済波及は殆どありません。雇用効果も知れています。基地を返還してもらう方が,基地を存続させるより遥かに経済効果があることを沖縄の人達は理解するようになったのです。
「日本を見つめ直すために沖縄を見つめる。
沖縄を見つめることで,日本の姿が見えてくるはずです。」(知花昌一氏)
沖縄は日本,中国,アメリカの大国の間に挟まれ生きてきました。日本もまたアメリカ、ロシア,中国の間で生きていかないといけないのですから。
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