公務員の特性を活用すべき
これだけ不況になると、景気に左右されない公務員の皆さんの生活が羨ましく、あるいは妬ましく思えます。国・地方を問わず民間零細企業の勤労者より待遇が遥かに恵まれているからです。
1)年金の支給額も公務員が格段に良いそうです。民間企業の勤労者が、年金を1万円負担すると企業側が1万円負担する。公務員の場合は行政側が2万円負担する。年金支給額が全然違うのは当たり前。
2)不況に左右されにくい業種。最近でこそ、世間の手前に給与の引き上げ率は下がったものの、どんな赤字財政自治体でも一時金は支給されるようですので、のんびりしたものです。
3)官公庁職員は、官公労という強力な労働組合があり、簡単にはリストラされないようになっています。身分は安定しています。
父が軍隊から復員して戦後まもなく高知県庁に一時就職していました。あまりに給与が低かったそうです。「出張へ行ったことにして、家で寝ていて交通費を着服していた」とか。当時は皆やっていたそうで、給与が安い公務員の処世術だったようです。
官公労、とくに自治労などの強力な労組運動で公務員の待遇は昔に比べ格段に良くなりました。しかし「交通費をごまかす」「裏金を職場ぐるみでこしらえる」「管理職と平職員がほぼ同じ給与」という、既得権益におあぐらをかいた不正行為が脈々と継続してきたのです。
「民営化」すればすべてよしは大嘘
役所のやることは「効率」が悪い、役人の特殊法人の天下りは悪業である。ということで批判することは半ば当然です。
しかし「教育」「医療」「福祉」「防災」「人権」という分野が「民営化」されることは必ずしも良いことずくめではありません。効率を第1にお考える民間企業がそれらの業種を経営すれば、「安全」や「人権」が必ず無視され、人を人と思わない格差社会が出来上がります。
「つぶれない会社の人達(公務員)をうまく活用しないといけない。悪口ばかり言ってはいけない。彼らにも職業観があり、仕事に誇りを持っているからだよ。」と元公務員の人に注意されました。
「貧困大国アメリカ」を読みまして、ますますそう思うようになりました。
公務員の皆様とは「教育」「医療」「福祉」「防災」「人権」という分野で、本当にお互い信頼して「協働」できれば幸いです。
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