「日本の夜と霧」を鑑賞
大島渚監督の「日本の夜と霧を家内が収蔵しているアナログVTRで鑑賞しました。
社会派映画といえば最近では高橋玄監督「ポチの告白」が秀作であります。その高橋監督は「昔は大島渚氏や今井正氏が社会派映画を制作しても、それを受け入れる観客が多くいました。今は少ない。ポチの告白は東京での初演は今日のあたご劇場より少ない観客でしたから。」と。
参考ブログ記事「映画「ポチの告白」上映会を鑑賞しました」
昔も1度見ていましたが、ストーリーは曖昧でした。学生運動OBや関係者が集う結婚式に「今デモへ行ってきた」「あんたたちはなんだ!」とさけぶ後輩学生(津川雅彦)が乱入。
この間亡くなられた佐藤慶や悪役俳優の戸浦六宏らが、「ヘーゲル哲学の秀才学生」を演じていました。後での悪役や芸達者ぶりを知っているだけに、理屈の多いセリフや、1950年代から60年安保闘争前後の日本の社会運動のp歴史もオーバーラップして鑑賞しました。
当時としては随分先鋭的なというか、前衛的な映画だったかもしれませんが、今となっては「喜劇映画」としか思えません。演技からすれば当時の大島映画に出た俳優たちよりも、若松孝二監督「連合赤軍」の若い俳優たちの方が、難解なセリフを自分のものとしているので、演技力は上のようでしたが。
今となっては共産党も新左翼も情けない喜劇になったんだと思います。あれから50年。未だに日米安保は大きな実態として沖縄に張り付き、34の米軍基地が存在しています。
絶滅した左翼運動の復活は無理でしょう。きちんと社会的、思想的な総括をしなかった連中が大衆運動の主導権をとれるはずもないからです。
1960年代前後の時代の雰囲気を知る(といっても東大周囲のエリート学生にすぎませんが)社会科教材としては優れものです。
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コメント
前略させて大変失礼とは存じておりますが、今回の東北関東大震災で日本各地に甚大な被害を及ぼしたようですが、そちらの方は大丈夫でしょうか?
テレビで見ていると本当に心が痛みすごく残念に思います。
投稿: 台湾人 | 2011.04.01 17:24
そうですか。私は今の日本が嫌いという訳ではありませんが、1950、1960、1970、1980、1990年代の日本に興味津々です。
台湾も日本、フランスやイタリアなど人々が安心して暮らせる国であればいいものの、現実はあまりにも残酷なので時々思わず嘆きます。
投稿: 台湾人 | 2011.01.13 12:39
台湾人さんコメントありがとうございました。
>日本、フランスやスウェーデンみたいに障害者に対する支援と福祉が充実している国こそ先進国の証だと思います。
日本は障害者福祉や介護福祉においては、先進国とは言えないと思います。
北欧の福祉国家のような「安心感」がありません。不況なのは資産を持っている高齢者が安心してお金を使わないからです。
この10年小泉内閣以来日本の政治は高齢者いじめばかりしてきましたから。
投稿: けんちゃん | 2011.01.11 18:14
大島渚監督の「日本の夜と霧」ですか。
私は資本主義にも共産主義にも賛同して偏るつもりはありませんが、日本、フランスやスウェーデンみたいに障害者に対する支援と福祉が充実している国こそ先進国の証だと思います。
投稿: 台湾人 | 2011.01.11 17:43