おおらかさのないアメリカなんて・・・
1962年にわずか6メートルのヨットで太平洋を横断した堀江健一さん。サンフランシスコ湾で発見したのは、沿岸警備隊の人。オフで自分のヨットでセーリングしているときでした。
本来なら不法入国者なのですが、当時のアメリカ人は冒険に寛容。堀江健一氏の勇気を褒め称え顕彰した。それだけ余裕とおおらかさがアメリカにはありました。
当時のサンフランシスコ市長は「コロンブスとてパスポートは持っていなかったのだ。」と堀江氏の挑戦を賞賛したのでした。さすがは海洋民族アメリカです。
ところが今のアメリカはどうだ。寛容さも異質の物を認めるおおらかさもない。排他的で被害妄想的で、攻撃的で偏狭です。
高知出身で長らくアメリカで仕事をされてきた安岡正博さんは、2001年の9・11以後のアメリカは、今までのアメリカとは違うと言われました。
「「アメリカは今までの夢のあるアメリカではない。特に「9.11テロ」以来変わった。高知からオハイオの自宅まで、それまでは17時間で到着できた。それが検査と飛行機便数の減便(テロ以降採算面の悪いローカル便は減便になったから)で27時間以上かかってしまう。」
「昔から朝鮮やベトナムなど外地で戦闘はあっても、米国本土が攻撃されることはなかった。世界貿易センターはアメリカの繁栄の象徴だけに、崩壊のショックは現地へ行くとよくわかる。今は巨大な穴が空いている。そのスケールの大きさはわかると思う」
もう2度と「よきアメリカは蘇らないだろう」と安岡さん。アメリカは、今までのアメリカではないことを日本人は明記すべきでしょう。
番組こぼれ話より
自由の女神とツインタワー(世界貿易センター)の美しい2ショットは2度と見られなくなりました。写真は1988年当時。
世界貿易センター近くに建設予定のイスラム教のモスクを”排除”せよと叫んでいる人たちがアメリカにいます。せっかくの「共存」の機会を失うだけです。テロとの戦いと言うのなら、イスラム教のモスクでも祈ってもらえばいいのに。
キリスト教原理主義とイスラム教原理主義がぶつかり合えば、妥協なき1000年戦争が起きてしまいます。冷戦どころの騒ぎではない。アメリカの偏狭さが諸悪の根源となるからです。
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