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2010.09.10

やっちゃれ、やっちゃれを読んで

Bandouhon

「やっちゃれ、やっちゃれ 独立・土佐黒潮共和国」(坂東眞砂子・著・文藝春秋.2010年)を図書館で借りて読みました。

 大嫌いな作家なので全然読む気もなかったのですが、「ついでに」借りて読みました。休日が雨気味で見たいテレビ番組もなかったので読みました。文章は読みやすく、駄作ではなかったと思います。

 過疎・人口減・高齢化・産業衰退に悩む高知県。ある女性知事が「独立する」と県民投票を実施。投票者の過半数(投票率90%超え)て成立してしまう。

 独立すると日本国からの交付金や補助金がカットされるから、より高知は貧しくなるが、指導者も住民も意気軒昂。かつてソ連の経済支援が打ち切られ、米国の経済制裁のなかで、独立を維持し独自に発展したキューバのように高知は独立すればいいと。

 国連加盟も目指し、沖縄や島根、秋田県など、高知同様地方の衰退に悩む県の追随を中央政府は恐れた。国名も「土佐黒潮共和国」になり、独自の憲法も議論のなかで制定、その発表はよさこい祭りの本番でされるはずだった。

 憲法を国代表(知事)が読み上げ後、花束が知事に踊り子から渡されしばらくして、仕掛けられた爆弾が炸裂し、代表は爆死する。その瞬間を待っていたように、日本国政府は「テロ防止」を名目に自衛隊を高知に派兵、一気に占領する。

 残された国の幹部も逮捕、副代表も勾留する。ほどなく、高知空港や高知駅、はりまや橋でも爆破事件が同時多発的に起き、国の介入を正当化しようとする動きが盛んになった。

 しかしその「手際の良さ」に疑問をもった高知新聞支局の女性記者が犯人に目星をつけ追跡し、爆破班を追い詰め、仲間の協力で追い込んむ。犯人は代表の夫により刺殺されるが、死に際に犯人はすべて告白。日本政府に雇われた傭兵であることを告げて事切れる。

 高知新聞は事の真相を一面で報道。形成は逆転。国連加盟国にもなる見込み。沖縄や島根.鳥取、秋田も独立国になる動きが出てきた・・という荒唐無稽な話である。

 国連加盟国には高知県より人口規模の小さな国もあるし、旧ソ連の崩壊で独立したバルト3国などの実例もあるので、夢物語ではないだろう。

 同名の小説は坂東眞砂子氏が高知新聞に連載していました。ほとんど読みませんでした。

 退屈しのぎにはなる読み物でした。
Kenchou

高知県庁本庁舎。物語では「土佐黒潮共和国政府庁舎」である。

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