平尾道雄さんが龍馬研究の元祖
郷土史家であった平尾道雄氏の著作「龍馬のすべて」(久保書店・1966年)を図書館で借りて読みました。
坂本龍馬の生涯を記述された著作です。当時の高知新聞に連載されていたのか、平易な文体でとても読みやすかったです。しかし豊富な資料や文献からしぼりだすように、坂本龍馬の生涯を描いています。
平尾さんの業績は海外の研究者にも評価され、また司馬遼太郎さんとの交流は小説「竜馬がゆく」に大きな影響を与えたとも言われています。
読んでいて関心したのは、坂本龍馬に関して様々な俗説や、逸話もとりあげ、「それは根拠がない」「それはそういえなくもない」と気さくな調子で論評しているところです。
「12歳のときに小高坂の横山庄助という人が私塾に通うことになった。ここでも成績が振るわず、友人のなぶりものになって、泣きながら家へ帰ったこともあったと伝えられている。
ある日、堀内なにがしという少年と口論して、あげくのはて堀内少年が刀を抜いて斬りかけた。龍馬はありあわせた文庫のふたをとって防いだが、友人たちが堀内少年を抱きとめて、その場をおさめ、師匠に訴えると。「それは堀内がよろしくない」と言うので、堀内少年は退塾させられることになった。
これを聞いた坂本八平は、「龍馬にも罪がなかったとはいえまい」というので龍馬も退塾させられた。それから龍馬は学問をする機会がなかったといわれる。
だが読書の勘はするどかったらしい。」(P63)
坂本龍馬はそうした”事情”で正規の学問は修めなかったようです。しかし「時代を読む目はあり、郷土にあっては河田小龍の影響が大きかったとあらためて平尾道雄氏の著作を読んで思いました。
本では豊富な資料や文献が提示されていました。海援隊士の写真や勝海舟、中岡慎太郎などの写真もありました。
1番下の画像は、龍馬がお龍と新婚旅行で訪れた鹿児島の様子を書いた手紙であると思います。
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