映画「雄呂血」を鑑賞しました
映画「雄呂血」(1925年製作)の無声映画を鑑賞しました。小夏の映画会(田辺浩三さん主催)で、龍馬が生まれたまち記念館2階で上映されました。午後2時半からの上映会を家内と2人で鑑賞しました。
主催者の田辺浩三さんは「時代劇の最高傑作の1つである」とのこと.。確かに駄作ではありませんでした。
田辺浩三さんによれば、大正14年に日本にきちんとした映画なんかあるもんか。といわれる人がいますが、見ればわかる。きちんとした凄い映画なんだと。本当に凄い映画でした。
筋書きは単純で、今で言う「対話能力」「伝達能力」に乏しい、主人公平四郎が、仲間たちや先輩たちに誤解され、伝える努力も直情的だから、乱暴者と誤解され、世間に追い詰められ犯罪者になってしまうという物語。
いわゆる「ストーカー」行為までやってしまうのですから、これはどうしようもありません。
当時の大スターであった坂東妻三郎が、単細胞の男を演じるというのも凄いことであると思いました。
それは現代にも通じますね。自己表現力の乏しい人間は今でもいるからです。「通り魔殺人犯」やいわゆる愉快犯と呼ばれる人たちも周りの人たちと打ち解けず、「直接行動」に出て犯罪を起こしてしまう事例がたくさんあるからです。
スーパースターが、お馬鹿な役柄もちゃんとできるところが偉いと思いました。
85年前の映画ということですが、古さを感じませんでした。「活劇」と言われていたそうですが、躍動感がありました。追っ手に追いかけられる場面がありました。大勢の捕り方が人を追いかける。
全速力で走る。なかには追っ手は溝に落ちるもの、石につまずいてこけるものもいる。それに格闘も早く、躍動感がある。
香港映画の格闘場面は、スローで撮影して、後で早回しをしていたようですが、当時はそういう「技術」はなかったので、映画の殺陣はすべて実写でしょう。だとすれば、俳優たちは物凄い身体能力ではないか。
母が生まれた年に、誕生した映画を鑑賞して良かったと思いました。良い映画は85年経過しても朽ちません。
昔、「戦艦ポチョムキン」という映画を見たことがありました。あれも無声映画でした。労働者のデモが軍隊に鎮圧され、市民が会談から転げ落ちる場面。乳母車の赤ん坊が転げ落ちる場面。倒れる無数の人たち。仲間たちを踏みつけながらも大勢の丸腰の労働者たちは銃撃から逃れようとして逃げる場面。
あの映画も同時代に作成されたものです。映画雄呂血の格闘場面の躍動感は世界水準であると思いました。
11月の映画会も見逃せないと思います。
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