「幸福実現党とは何か」を読んで
知人が「幸福実現党とは何か」(大川隆法・著・2009年7月・刊)をくれました。昨年の総選挙の直前に発刊された出版物でした。
昨年の総選挙、幸福実現党派、全国300の小選挙区に立候補者を擁立、比例代表候補者も擁立していました。しかし1人の当選者も出ませんでした。おそらく供託金は没収されたのではないでしょうか。
一読しまして、それほど荒唐無稽な考え方ではないと思いました。
「宗教と政治は一体」というのが世界標準」(P23)というのもそうだろうなと思います。米国大統領が就任式で、聖書に手を当てて、宣誓する姿を見ても、アメリカはキリスト教国家であることがわかるからです。
宗教活動から政界進出を決めた理由を大川隆法氏は、次のように説明しています。
「宗教だけでは,法律をつくることもできません。宗教だけでは、具体的な政策をたて活動することもできません。宗教だけでは、本当に生活に困っている人たちを救う具体的な活動が、なかなかできません。 (中略)
政治と宗教は、まったく別のものではなく、それぞれ、違った方向に人々を幸福にしようとして努力しているプロセスです。両者は対立するものではなく、力を合わせて、この国を、そして世界をよくするために必要なものです。」(P16)
「宗教家と政治家が尊敬されない国は繁栄はない」(P17)は最もな意見であると思います。
「政教分離」の趣旨は宗教弾圧の禁止にあり」(P27)は、日本史の考察から導かれたもののようです。
明治時代には、長年続いた幕藩体制を打倒し、天皇制を標榜しました。政府関係者が欧米諸国を視察したところ
「先進国には1新教が多いので。「1神教にすると、近代的に見えるのではないか」と考え、天皇制を国家神道として1神教的なものにしようとしました。
中略・・・ その結果明治の初期には「廃仏毀釈」が行われ、仏教の弾圧が政府の手で実行されました。
その結果、敗戦が来て、その反省から、新しい憲法においては「国家が特定の宗教を強く保護して、ほかの宗教を弾圧することがないように:という趣旨で政教分離が定められたのです。」(P29)
幸福実現党の政策ですが、「大胆な減税によって景気の回復を」をスローガンにしていました。
消費税を撤廃する。相続税や贈与税も撤廃するというものです。それは老後の不安を取り除き、消費を促進するとか。
その効用は企業は売り上げが増加し、結果税収は増加するというもの。
実際に1980年代のアメリカのレーガン政権は減税政策を実行し、税収は増加した実例があるとのことでした。
「貧乏したかったら自民党」「核ミサイルで死にたかっら民主党」と2大政党を批判しております。
未来ビジョンとして日本の人口は3億人。人口を増加して日本のGDPを増加させる。ということのようです。
「無税国家」といえば、中東のクエートがそうだったと思います。莫大な石油の売り上げで国民の税金がない。中東諸国の何カ国かはそういう国があるようです。
レーガン政権の良いところもあれば、弊害(格差拡大)もあったと思います。
中東の無税国家の多くは、国民の大多数に政治的な参加が許されていないようですし。
先進国で、しかも1億人の人口を抱える日本で実現可能かというとどうなのか?
結局国民の支持が集まらなかったということは、提案した政策に実現性が乏しかったということなのでしょう。
2009年の総選挙時には高知市内にも事務所が出来ていました。
| 固定リンク
コメント