« 腎不全がわかる本を読んで | トップページ | 今週号の野良犬メディア(2) »

2010.12.22

今週の野良犬メディア

Photo


 週刊ポスト1・1、7の合併号を購入しました。2冊分であるためか、あるいは今年の「総括」を含めた特殊記事が多いためかなかなか充実し、野良犬メディアらしい視点があり読み応えがありました。

 「幻の女性外性器研究」とか「重たい?」内容のカラー特集記事もあるのも年末・年始特集ゆえか。カラーページが多いようです。

週刊雑誌は官公庁の談合記者クラブに指定席はありません。多くはフリーの記者の持ち込み記事で成り立っています。フリーの記者の「ハングリー精神」が発露された内容でした。今週号はそれゆえ読み応えがある記事が多いように思いました。400円の価値はありました。
Spozawa01_r

 まず「小沢一郎 最後の戦い」(P32)というインタビュー記事。渡辺乾介氏が、結構辛らつな質問をしています。小沢一郎氏は淡々と応えています。「マスコミ嫌い」とされている小沢氏ですが、きちんと質問に回答する姿には好感が持てました。

 談合記者クラブマスコミから伝わる「悪者小沢一郎」とは違う姿が見えました。民主党政権が続くとすれば、小沢氏の存在抜きにはありえない。存在感を感じる現代の政治家であります。
Spdangopukc002_r

 「渡辺恒雄氏への引退勧告 上杉隆」(P45)も興味深い。読売新聞グループ本社会長の渡辺恒雄氏は、日本の談合記者クラブマスコミの総帥。古くは1960年安保闘争時の岸内閣の声明も渡辺氏が書いたとか。50年前から政界とは深いつながりがあるようです。

 それが現在3年前の自民党・民主党の「大連立」の再現を目指しているとか。上杉氏と菱山氏(日本テレビ元政治部長)との対談は真偽はともかく面白い。
Spanpon01_r

 ノンフィクション作家佐野真一氏の「あんぽん 孫正義伝」(P130)は読ませる記事でした。佐賀県の鳥栖市の朝鮮人集落の中で極貧時代の子供時代を過ごし、這い上がった立志伝は物凄い。おじさんは麻生炭鉱の落盤事故で亡くなったそうです。

 30年間「ベンチャー・ビジネスの旗手」といわれ続け、リクルートの江副氏やライブドアのホリエモンのように、決して「堀の内」に落ちない。

 筆者はそのしぶとさとしたたかさを生い立ちに求め、孫正義氏が子供時代に育ったさ佐賀県の朝鮮人集落跡を丹念に調査されている。映画「にあんちゃん」の世界そのものだった。

「孫正義は朝鮮部落のウンコ臭い水があふれる掘っ立て小屋の中で、膝まで水につかりながら、必死で勉強していたという。

 並の根性でできることではない。この根性が,叩かれても、叩かれてもへこたれない孫正義の強さの秘密である。」(P139)
Spgezan03_r

 「言わずに死ねるか!迎春特別版」(P52)もなかなか面白かった。五木寛之氏は「日本は下山の時代。その豊かさに気づかないといけない」。安藤忠雄氏、堺屋太一氏。徳大寺有恒氏、唐十郎、らのベテランの各界の識者が独特の見識を述べています。

「横峰さくら&良郎が大放談」(P172)は爆笑もの。ちゃんと何事があっても対談できる父娘関係はうらやましい限り。世の娘をもつ父親必読かもしれません。

|

« 腎不全がわかる本を読んで | トップページ | 今週号の野良犬メディア(2) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 今週の野良犬メディア:

« 腎不全がわかる本を読んで | トップページ | 今週号の野良犬メディア(2) »