腎不全がわかる本を読んで
「腎不全がわかる本」(出浦照國・著・日本評論社・刊)を読みました。この本は父の主治医の先生から借りました。という貸していただきました。
現在91歳の父は9月ごろから足がむくみが目立ち、息切れをするようになりました。ホームドクターのY医師に相談しますと「腎臓専門の先生をご紹介しましょう・ということになり、週に1度通院し、食事指導等を受けています。血液検査をして、クレアチリンと尿素窒素を測定しています。
現状は相当腎不全が進展。透析一歩手前の状況です。それを可能な限り回避し、日常生活を過ごせるように家族として手立てをしています。
その大きな要素が「減蛋白質の食事」です。この本では主食であるお米、パン、麺類、餅を「減たんぱく食品」に普通食品を変更するだけで、かなり効果があると書いてありました。
「食料品店やスーパーマーケットで日常入手しうる通常食品だけを使って、1日のたんぱく質が30グラムと20グラムの献立をそれぞれ20日づつつくってもらったことがありました。
するとベテランの栄養士のみなさんが、どんなに専門的な技術を駆使しても、たんぱく質を30グラムにした献立ではエネルギー量が1500キロカロリーを、20グラムでは1200カロリーを越えることは無理でした。」(P125 「低たんぱく治療用特殊食品を活用する」)
以前の病院の管理栄養士さんに聞いたのは「ご飯の1膳が3グラムのたんぱく質があります。魚なら何グラム、野菜なら何グラムと覚えて調理してください。」というもの。
結構大変でした。
でも主治医の先生は「主食であるご飯と、パンと餅と麺類を減たんぱく食品に変えるだけでいいです。おかずは奥さんが意識して減たんぱくの食事をこしらえておられるので、現時点では一般食を少なめに食べればいいですよ」と言われました。
これで随分楽になりました。実際減たんぱく食品に変えてから、クレアチリンも尿素窒素の値も良くなりました。
主治医の先生も「これなら大丈夫です。様子を見ましょう。」と言ってくれました。やれやれです。
食事療法の効果を表わす資料。本より引用。透析寸前の人が食事療法で回避しています。
諸悪の根源は生活習慣病から
筆者はこうも言うています。
「慢性の病気はたくさんありますが,慢性腎不全はその典型的な病気であり、その原因となる病気の大半は生活習慣病です。
現在透析療法を受けている慢性腎不全の患者さんの原因となった病気は、糖尿病性腎症、慢性糸体腎炎、高血圧による腎硬化症などがほとんどです。
中略・・ いずれにしても、ごく1部を除いて大多数が生活習慣病であると断言できます。」
「ご自分の身体管理の誤りや不足が原因になっています。」
「世界教育水準が高く、世界1清潔で、世界1便利で、世界1健康診断のシステムが発達していて、世界1医療情報が豊かで、世界1医療を受けやすい。夢のようなこの日本で、生活習慣病がどんどん増え続け、しかもどんどん重症化している事実。これはいったいどういうことなのでしょうか。」
「その原因は、快楽ばかり追いかける社会風潮、日本人としての責任感の衰退、医学情報の過多(多すぎる誤った情報、また正しい情報であってもあまりの多さに整理が容易でない0、日々を細やかに過ごすことのできない多忙な日常生活、その他いろいろ考えられます。(中略)
少なくても自分の病気についてはもちろん、身近な家族や親友の病気については、医師と同じくらい詳しく知り、医師と同じくらい深く理解しないといけないのではないでしょうか。
しかも同じ病気でも個人個人で大きな違いがありますから、その違いも良く知って、ご自分の特性を正確に把握していなければならないのです。」(P7 まえがき)
身近な家族の体のことを考えることで、「生きる」意味や意義目的が明らかになりました。人間は1人で生きているのではないということがわかりました。それは自分自身についても良く考えることになるからです。
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