「徹底予測2011」を読んで
年末にコンビニに置いてありました。「日経ビジネス 徹底予測2011」を購入し読みました。
だいたい通俗的な記事であり、さして興味を引く内容の記述はどうってことはありません。予測は殆ど当たらないからです。経済関係者の「希望的」観測記事か、もしくは「日本経済万年悲観論」かであるからです。
そのなかでも注目する記事が1つだけありました。
「脱ハードの都市創造で41兆ドル」という記事でした。
記事を引用してみます。
「スマートフォン程度の変化で日本全体は救えない、と諦観するなかれ。同じスマートでも、都市全体が環境に優しい社会インフラを構築する「スマートシティ」となると、2030年までに約41兆ドルという、日本のGDPの8年分を超える巨大な需要が見込まれる。」
「上下水道で22・8兆ドル、エネルギーで9兆ドル、道路・鉄道で7.8兆ドル、という新規需要を日本が生かすには、個別の技術や商品を単体売りするのではなく、ハードを組み合わせた「システム」として総合力を発揮していくことが、どうしても欠かせない。」
「鉄道から原子力施設、省エネ火力発電、水の濾過膜から電気自動車、高性能な蓄電池まで日本が世界に誇る技術の要素は揃っている。あとはそれをどう組み合わされるかだ。需要は中国、インド、そして国策として送電インフラの更新を打ち出した米国など世界中に広がっている。」
中略
「脱ハード依存」は製造業の衰退を意味するのではない。優れたハードをシステムとして組み合わせることで、日本の得意な軽薄短小の省エネ技術、低公害技術、長寿命の作りこみ品質が威力を発揮する。要は、これからが本番なのだ」(P10 「民活主導でニッポン大逆転 新経済地図の主役交代 日経ビジネス編集長 寺山修一」)
日本の持っている優れた環境技術や、細やかさ、顧客志向のきめ細かいサービス。安全で清潔な都市空間。癒される漫画などのソフト文化全般で勝負すればよいのであるという主張です。
それは正しいと思います。私の場合も、随分昔である1990年(もう21年も前だ!)に高知の都市再開発のありかたを考える概念として「快適都市」というものを提唱しました。
都市は誰にとっても快適なものでなかればならない。子供、高齢者、障害者にとっても快適な都市は、誰にとっても快適な都市であるからです。
そのあたり韓国は日本より1歩進んでいます。首都ソウルの清渓川復元事業では、高速道路を「撤去し、都市のまんなかに親水空間をこしらえたからです。
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