今週の”野良犬メディア”
今週号の野良犬メディアである週刊現代2月12日号と、週刊ポスト2月11日号を購入しました。あわせて780円の出費は大きい。昨日(1月31日)に、民主党元代表小沢一郎氏が強制起訴されました。このあたりの取り扱いが、野良犬メディアではどうなのか?談合・記者クラブマスコミの報道だけでは物足りないので読んでみました。
週刊現代では「ぶち抜き大特集 民主党政権「腐ったみかんの方程式」 罵り合い、憎しみ合い、粛清に血道をあげる 小沢に菅に仙石 何のために一緒にいるのか 「そんなに嫌いなら、別れたら」という記事(P40)
内容は見出しのとおり。民主党リーダーたちのお互いの憎悪(小沢氏問題を核として)青カビとなり、みかん(民主党)がすべて腐ってしまったのではないか。という飛ばし記事でありました。こちらも真偽は不明の記事です。
「まるで連合赤軍」との小見出し。気になるので読んで見ますと、かつての連合赤軍は、「総括」と称して仲間をリンチし殺害していった。菅政権のやっていることはかつての極左暴力集団(連合赤軍)と同じである。との決めかたであります。
確かに菅首相も、仙石副代表も「全共闘世代」と言われていましたが、別に活動家でもなんでもありませんでした。「陰湿」さは権力を握れば誰にもありますから。菅内閣と連合赤軍を一緒くたにするのは、論理的にも社会的背景からも無理があります。
このあたりはさすがに「野良犬メディア」の「飛躍の決め付け」方。デマゴギーと言えるでしょう。
だいたい「連合赤軍・極左集団」との菅ー仙石へのレッテル貼りは。「デマ」であるし、当時真摯に革命を考えていた真摯な連合赤軍兵士や関係者に対して失礼であるし、冒涜であると思います。社会的に影響力のある講談社がこのようなデマ発言に加担することは駄目ですね。失望しました。
私は個人的には社会思想の総括の中で「連合赤軍と新自由主義の総括」をテーマにしています。その観点からもあまりに稚拙な観点であります。関係者は断固講談社に抗議すべきです。
面白い記事は、佐藤優氏と斉藤勉氏のロシア問題に詳しい人達との対談でした。
「獰猛な隣人は 肉食系です ロシアの本質とは何か」(P178)は読ませる記事でした。
佐藤氏はロシアについてこう言いきります「ロシアの本質は何かといったら、要するに「帝国主義国」です。とにかく相手のことを考えずに自国の利益を主張する。
それで相手国が反発して沈黙していればますます影響力を拡大していく。
逆に、相手国が反発して国際社会の顰蹙を買った場合には、自国の利益にならないので国際協調に転じる。ロシアはその帝国主義文法に則り、常時、当たり前のこと(日本の北方領土への閣僚の視察など)をしているにすぎない。」(P180)
齋藤氏はロシアと交渉する場合は、ポーランドを見習えといいます。1940年の「カチンの森でのロシアによるポーランド将兵2万2000人の虐殺事件」を粘り強く国内外での真相究明を訴え続けてきました。
そして遂に70年後にロシア政府は「スターリンの犯行だ」と認め、歴史的な和解に踏み出しました。
日本はシベリヤ抑留問題や北方領土問題でも粘り強く国内外の世論に訴え続ける努力が必要なのです。
一方の週刊ポスト。こちらは「小沢問題」では、談合記者クラブ・マスコミとは対極の記事が冒頭から並んでいて興味深い。談合記者クラブとは、ポストのほうが、対決姿勢で記事を書いています。というか「フリー」の記者に紙面を提供しているのでしょう。そのあたりは現代よりは面白い。ただその記事の真偽はわかりません。
「メディア激震 既得権益にあぐらをかいてきた新聞・テレビの記者が「これは、まずい大慌て 小沢一郎と上杉隆が宣戦布告 記者クラブと最終戦争 全内幕」という仰々しい記事が並んでいます。(P34)
官公庁に当たり前に存在している「記者クラブ」は、「カルテルに似た利益集団」であると上杉隆氏は言っています。
民主党政権の「公約」の1つに「記者クラブ制度の廃止とオープン化」がありました。実際にオープンにしていた政治家は小沢一郎氏と原口前総務大臣ら少数にとどまっています。
「記者クラブは官庁の記者室を無償で使用し、公的機関からの情報を独占。しかも加盟するには、加盟社の推薦やクラブ総会の承認など高いハードルが課せられている。
記者クラブ制度は先進国には日本にしかなく、「カルテルに似た強力な利益集団のひとつ」(ニューヨーク・タイムズ)など海外メディアから批判を受けている。
上杉氏らが訴えてきた「記者会見オープン化」 とは、これまでの記者クラブ以外の参加が許されてこなかった政府の公的会見に、フリーやネット、雑誌などの記者たちが参加できるようにする運動である。」(P35)
そういえば最近小沢一郎氏が、上杉隆と一緒に「ニコニコ動画」で対談番組をしていましたが,逆に談合マスコミを排除したかたちでのネット対談をしたようです。
ニコニコ動画 関連動画一覧(小沢一郎VS上杉隆)関連
週刊ポストの見出しだけ見れば、流れはわかります。「カルテルに似た利益集団」「メディアによる言論統制」「菅政権と記者クラブの癒着」ということで、現在の官公庁に居座っている「談合・記者クラブ・マスコミ」を批判しています。日本独特の「制度」であり、言論統制機関になっているということです。
野良犬メディアを別にして、映画「ポチの告白」でも、警察記者クラブの記者たちが真実を追究できない仕組みを克明に描かれていました。
参考ブログ記事 映画「ポチの告白」上映会を鑑賞しました
「冤罪」事件も、警察記者クラブに安住した「談合記者クラブ・マスコミ」の加担や、より「冤罪被害者」を苦しめる構造になっているのです。市民1人1人が「メディア・リテラシー」の観点と手法を持たないといけないのです。
冤罪事件を生み出している大きな要因は、警察にある「記者クラブ」であるとの指摘がありました。警察発表を何の検証も、「裏取り取材」もせずに、プロの報道機関がそのまま記事を掲載するとは思いませんし、思いたくありません。
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