学ぶべきは坂本龍馬の精神だろうに・・
またも多額の税金を使用して「志国高知龍馬ふるさと博」が、3月5日から高知で開催されるようだ。「ようだ」と言いますのは、1県民として「またか」という感覚でありますし、どうしてまた「龍馬」なの?と思ってしまいます。
http://ryoma-furusato.jp/ryomaden-bakumatsu.html
昨年の大河ドラマ「龍馬伝」はそれなりにドラマとして面白かったです。脚色が凄かったし、史実とはかなり異なってはいましたが、俳優陣の熱演によってそれなりに楽しめました。
しかしNHKのドラマのセットが展示されていたというJR高知駅前の展示館(入場料が500円。わたしは見せ物小屋」と呼んでいました。結局1度もいくことなくイベントは終結しました。
そしたらまたも「継続事業」としてやるらしい、それも桂浜にスチロール製の武市半平太と中岡慎太郎の像を坂本龍馬像の横に並べるとか。その「展示」は一時的なもので、そのスチロール像を高知駅前へも搬入して設置するとか。なんともというか呆れ果てました。
全国紙も面白おかしく取り上げています。
読売新聞 龍馬像両脇にレプリカ…ファンの猛反対で延期
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110302-00000606-yom-soci
一応高知県庁も予算をつけてスチロール像を発注した後で、「県民の意見」を「募集」しているようです。
http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/020101/tosakinnoutou.html
県のホームページによれば企画の意図を自画自賛しています。
「こうした企画はおそらく日本初の試みであり、話題性とともに、改めて龍馬や高知に注目していただく大きなきっかけになるものと考えています。
当然ながら意味もなく並べるものではなく、土佐勤王党が結成されて150年目にあたる今年、これまで、それぞれの地に立ってじっと世の中の移り変わりを見てきた坂本龍馬と武市半平太と中岡慎太郎が150年の時を経て再び集結したとき、一体どんな話をするのか、今を生きたとしても3人の考え方や生き方は異なるのか、一体どんな行動に出るのか・・などに思いを馳せていただき、それを見た一人ひとりに現代の「志」を考えていただく企画です。」
果たして土佐勤皇党結成150年が意義があり、武市半平太と坂本龍馬と中岡慎太郎の3人を桂浜に並べる意義がどこにあるのか正直わかりません。
坂本龍馬像建設については、昭和3年に当時の青年たちによって建立されました。その爽やかさは、今でも胸を打つものがあります。
個人ブログ「忘れ得ぬ人びと」(入交好保・著)を読んで
観光で高知は生きるしかないきに、えいろう!と県知事まで調子にのって騒いでいます。入交好保さんたちの真摯な志をそれこそ冒涜するものです。
やりたいのなら私財やカンパでやるべき。500万円でも県民の税金ですることには私は反対します。坂本龍馬の精神を冒涜するものであると思うからです。
また歴史的観点からすれば土佐勤皇党というのは、開明的な団体ではありません。むしろ対立したとされる参政の吉田東洋のほうが進歩的でした。海外事情を研究し、薩摩へも人を派遣し、藩政改革に尽力していました。
また山内容堂も島津斉彬や松平春嶽らと結託して幕政を動かしていましたが、支えていた老中が急死し、井伊直弼による安政の大獄で失脚・蟄居させられていた立場でした。
武市半平太による攘夷の実行は無理であることは、吉田東洋は理解していました。だから藩政改革を急ぎました。武市は藩政改革に反対する保守勢力と結託し、その上に土佐勤皇党隊士に命じて吉田東洋を暗殺してしまいました。
坂本龍馬も中岡慎太郎も、武市半平太の政治的限界を感じ、一緒に行動せず「脱藩」をしたのですから。そのあたりの歴史的な検証もせずに「土佐勤皇党150年をお祝いしましょう」なんていうほうがおかしいと思います。
学ぶべきは「坂本龍馬の発想」なのです。税金でスチロール像を設置することではないと私は思います。
昨晩アナログテレビで3つの像が桂浜へ並ぶ想定図がありました。「およけない」「ばかげている」としかこめんとのしようがございません。
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コメント
ナンチャッテさとみ さんコメントありがとうございました。高知以外のみなさんの反応はそんなものであると思いますよ。
学生時代の友人2人がその昔結婚した時には、「新婚旅行へは高知へ行くぞ」と行っていました。
しかし2人とも奥様に反対されて立ち消えに。1人はハワイ。1人は沖縄になりました。
理由は「高知は酒ばかり飲んでいるようで暗い。面白そうにないから」という奥様のご意見でした。
もう20年以上前のことですが、未だに高知県はバカをやっているんですよ。情けないです。
投稿: けんちゃん | 2012.03.24 20:33
10年ぐらい前、善通寺のファミレスでデザートを食べていたら、隣の席から婦人2人の会話が聞こえてきました。アクセントから現地の方でした。
「何かというと、龍馬、龍馬。他に自慢するモノがない。」
「あ、もう1人。総理大臣だった吉田なんとかは、高知県じゃないん?」
「とにかく、山を越えたら猿ばかり」
もう記憶が薄れだしたので、うまく再現できませんが、実際はもっと強烈にこき下ろされていました。日頃自分が家庭内で言っていたことなので、コーヒーを吹き出しそうになったことも覚えています。
嫁以外の証人はいないけれど、「県外人」が「高知県人」をどう思っているかを如実示す実話です。
投稿: ナンチャッテさとみ | 2012.03.24 19:56
しばやんさん「熱い」後意見ありがとうございました。
高知県庁がやっていることは、熱心で真摯な「龍馬ファン」をないがしろにすることを税金を使ってするとういう「とんでもないこと」なのです。
「金が落ちたらなんでもえいろう」という品位のないことを平気でしているのですから。呆れます。
投稿: けんちゃん | 2011.03.05 18:49
スチロール製の像を並べて、観光客が呼べるなどと考えるのはあまりにも幼稚な発想だと思います。
そんな安物の像を見るために、高知に行きたいと思う観光客がいるとは思えません。若き日の入交好保さんらが奔走して完成した龍馬像までが輝きを失ってしまいそうですね。
投稿: しばやん | 2011.03.05 00:30
jinrockさんご意見ありがとうございました。
>「2年目なので、なんか新しい事をせんとイカン」
というご指摘のとうりなでしょうが、あまりの稚拙さに呆れました。
坂本龍馬記念館の森館長も激怒されていましたから。コアな龍馬ファインは怒りますよ。
にわかファン狙いでしょうが、テレビのが層を見た県外の人達は「高知は阿呆や」としか思わないと思いますね。
投稿: けんちゃん | 2011.03.03 09:06
「2年目なので、なんか新しい事をせんとイカン」と考えた末の苦肉の策なのでしょうか。それにしても発想が貧相です。
投稿: jinrock | 2011.03.03 08:41