「歴史」をどう捉えるのか
最近は高知でも静かな「歴史」ブームであるとか。昨年の大河ドラマ「龍馬伝」の影響もあるでしょう。「歴史」をどう捉え、どう位置づけるのか。それは各人様々です。
最近高知では、昨年の龍馬伝ブームで少し人気が出た武市半平太も加えて、坂本龍馬、中岡慎太郎、武市半平太の5メートル大のプラスチック製の像を設置するのであるとか。
「模造品」でも、香南市夜須のヤ・シィパークにある坂本龍馬像は小さいが、観光客に人気でした。偽者でもあの程度(等身大)であれば、ご愛嬌なのです。
3人の模造品の像を設置する理由は、今年が「土佐勤皇党結成150周年」であるからとのことです。私もその意義については正直わかりません。
土佐勤皇党といえば、尊皇攘夷をスローガンに、土佐藩を勤皇藩にしようとする武市半平太の主張を中心に結成されました。長州、薩摩、水戸の攘夷志士らとのネットワークで、外国船打ち払い、攘夷による国づくりを目指していました。
注目すべきは、当時の土佐藩で全く藩政への政治的な関与が認められない下士身分の武士や、中岡慎太郎のような庄屋身分のものまで、広範に尊王攘夷の政治思想が伝播されていたことでしょう。それは何故なのか?またその懸命の真摯な訴えは何故、藩政改革のエネルギーになれなかったのか?そのあたりにわたしは興味があります。
若者たちの生真面目で、真摯な思想を持ち、行動しても、その行動が必ずしも社会変革に繋がらない事例も数多くあります。
私の高校生時代以来40年来のテーマは「連合赤軍と新自由主義の総括」です。
連合赤軍とて当時の優秀で真摯な若者たちの集団でした。私利私欲を捨て、禁欲的な生活をして、日本に革命を起そうとしていました。思想的背景は異なりますが、真摯さ、真剣さでは、土佐勤皇党と同じようなものではないでしょうか?
案外「歴史好き」と称する人達が、歴史を研究する社会的な意義をわかろうとしないのは残念です。
今日の日本を取り巻く国際情勢は、幕末・維新期よりも難しいかもしれません。また秀吉・家康時代に、何故当時の日本はキリスト教を禁教し、江戸時代になり鎖国までしたのか?またどうして鎖国は可能であったのか?そのあたりの検証も必要でしょう。
今日の国際情勢を検討する場合に、江戸時代初期、江戸時代末期の国際情勢と国内情勢を分析することは、とても大事であると思うからです。
それは「歴史」が単なる物語ではなく、今日を生きる「教訓」にもなると私は思うからです。
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