「ドストエフスキーと59の旅」を読んで
「ドストエフスキーと59の旅」(亀山郁夫・著・日本経済新聞社・2010年刊)を図書館で借りて読みました。ドストエススキーの「罪と罰」を借りたので、解説本と言うわけではないですが、筆者はロシア文学者で翻訳者なので、「ガイドブック」を求めて借りました。
期待どうりの本でした。長年のロシア文学翻訳の功績が、ロシアの文学界で高く評価され、ロシアの大統領に面談し、表彰していただいたとか。
「罪と罰」で描写されたサンクトペテルブルクの都市風景の体験記もありました。王宮橋を流れる圧倒的水量のネバ川。エルミタージュ宮殿、ペトロパウロ要塞。
「まさに罪と罰のラストということになる。
物語もいよいよ大詰めに来て、ラスコーニコフとスビドリガイロフの2人の男がネバにかかる橋の上に立ち、それこそ濡れネズミになりながら自分の運命に思いをめぐらす。」
こんな場面があったとうか。小説は字ばかり眺めていましたから。
場面場面が移り変わり、筆者の学生時代の記憶になったり、つい最近になったり、時間は変る。でもすべてにドストエフスキーが絡んでいる。
面白い随筆でありました。お陰で「罪と罰」が楽しく読めましたから。
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