今週の”野良犬”メディアは核被曝特集だ
毎週火曜日に高知では発売予定の週刊現代。19日発売のビックコミック・オリジナルが2日遅れての発売。1日早い発売でしたが、購入しました。
先週は東北・関東大地震が11日に起きているのに、全く関係のない「菅内閣退陣」とか「大相撲八百長問題」などでありました。週刊誌メディアではいたしかたありません。
それで今週号は地震の罹災の様子の報道写真。散々テレビや新聞で見てきたはずなのに、目を奪われる。他人事ではないと思うからです。
「制御不能福島原発 これから始まる「本当の恐怖 あなたの政府の発表を信じますか」という記事も愕然とします。P34では爆発事故の後、次々と千葉県稲毛にある放射線医学総合研究所に、福島原発からの負傷者と被爆者が多数運ばれた様子が書かれるいました。
40人を超える被爆者が3月15日だけで運ばれたとか。こういう情報は談合記者クラブ・マスコミは一切報じようとしません。「被曝料はレントゲン1回分で人体に影響がありません」とか言う「繰言」はどこまで信憑性があるのでしょうか?国民は不安です。
週刊現代は、政府も原子力安全保安院も東京電力も「理解しないで会見している」と指摘しています。
阪神大震災クラスの地震が来たら安全なのかという報道陣の問いにかつては「ありえません!安全対策は万全です。リスクはありません」と発電所関係者は答えていたといいます。
原発敷地内には「サービスホール」を作り、第2原発近くには大規模なサッカー練習場施設「Jビレッジ」を作って地域貢献に懸命だった。」(P37)
またこういう指摘も週刊現代はしています。
「07年7月にあった新潟中越沖地震で、柏崎刈羽原発が緊急停止しました。このとき、変圧器から発火があったが、消防団によって消し止められた。
東京電力は、この大地震と発火事故を乗り切ったことで、多少の地震なら大丈夫と自信過剰になっていた気配がある。明らかに油断がありましたね。(全国紙デスク P38)
P38には放射線量の許容量が示されています。左側が福島原子力発電所の事故後の数値です。
政府や原子力保安院は、情報をきちんと正確に公表しないと、日本国は国際的信用を失います。
週刊ポスト4月1日号も購入しました。新聞やテレビのように官公庁部署に無料で「記者クラブ室」があてがわれ、官公庁の発表する情報を垂れ流すことの多い「談合記者クラブ・マスコミ」との相違はみられるのか。週刊ポストの”野良犬”ぶりはどうなのか気になるところです。
表紙は救助活動に来られた自衛隊員に抱きかかえられた赤ん坊の姿です。「日本を信じよう」とのメッセージが大文字で書かれています。
「日本にも非常事態省が必要だ」P140は良いレポート。アメリカやロシアには危機管理専門の政府機関と大臣が居て、大きな権限をもっている。「災害大国」日本にそれがないのはおかしいとの指摘はもっともであると思います。
グラビアでは手軽に買い求める被曝防止服も紹介されています。「政府は人体に影響はないとばかり繰り返していますが、人体に何の影響もない放射性物質などはありません。」(小出裕章京大原子炉実験所准教授)とのことです。
小出氏は「現場から20キロ圏内では200マイクロシーベルト/nの放射能があると言われています。これは通常の自然界の約4000倍。かぜ向き次第ではありますが、最悪の場合m数ヶ月のうちに400~700キロの範囲にまでこのレベルの放射性物質が飛来し、汚染される可能性があります。首都圏もすっぽり危険エリアです。」
福島原子力発電所の沈静化は難しいようですね。小出氏の懸念が現実化しそうです。
また週刊ポストで上杉隆氏(ジャーナリスト)は、「東京電力と電気事業連合会は、記者クラブ・メディアの最大のスポンサー。彼らに配慮して、東電を批判しなかったメディアの責任は大きい」(P131)
「原発事故に関して東電の批判をはじめた途端、鬼の形相でにらめつけてきた(マスコミ)幹部の表情が印象的だった。記者クラブメディアが官僚と結託して国民を洗脳してきた「官報複合体」はついに取り返しのつかぬ事態を招いてしまったのだ。」(P131)は肝に銘じないといけないと思いました。
| 固定リンク
コメント
しばやんさんたびたびありがとうございます。わたしなども普段は関心がないし、理系の概念のようなので、なんだかよくわからんで、そのままにしてきました。
ご紹介の武田邦彦氏の解説はとてもわかりやすいです。でもテレビや新聞はなかなかこのあたりのきちんとした情報提供をしませんね。
新聞などを隅々まで読んだら、恐らく小さなコラムか解説記事に書いているとは思います。
けれどなかなか気づきませんね。今回の問題を機会ににわか勉強をしないといけないと思います。
投稿: けんちゃん | 2011.03.21 16:07
私もにわか勉強なので詳しいことはわかりませんが、中部大学の武田邦彦教授が毎日この問題について解説している記事が良くわかります。
http://takedanet.com/
左側福島第一原発の数字は8760倍(24時間×365日)をした上で、世界の年間平均の2.4マイクロシーベルトと比較すべきです。
シーベルトとベクレルとの関係は東北電力の解説で納得しました。
http://www.tohoku-epco.co.jp/electr/genshi/shiryo/wastes/07.html
シーベルトは
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88
が参考になります。
投稿: しばやん | 2011.03.21 15:37
しばやんさんコメントありがとうございました。放射能のこういう数字はよくわかりません。
シーベルトとべクレルという放射線量を表わす単位があり、それもよくわかりません。
国民がよくわからない、普段は関心がないことを良いことに、余計に政府や原子力保安院や東京電力はわかりにくい説明をしているようにも思います。
国民が知りたいのは、「何が安全で、何が危険なのか」「自分の住んでいる地域は安全なのか危険なのか」だけでしょう。なんかずれていますね。
投稿: けんちゃん | 2011.03.21 15:04
放射線量の表はおかしな表ですね。年間に浴びる放射線量の数字と、一回当たりの一瞬の数字とを一緒にするのはおかしなことです。
福島第一原発の測定値は1時間当たりの数字であることが明記されていませんが、この数字と全世界平均の年間の2.4マイクロシーベルトと比較するのは話になりません。数字のトリックで意図的に大した数字ではないと思わせようとしています。
全世界の平均は1時間当たりでは、0.00027マイクロシーベルト(2.4÷24時間÷365日)で、毎日大きな数字になっています。
投稿: しばやん | 2011.03.21 14:43