経済人は原子力問題に向き合っていただきたい
東日本大震災において、各地の青年会議所の皆さんが早くから救援支援活動に乗り出され、行動されている姿には好感を持ちます。さすがは公益青年団体である。遠い昔、わたしも青年会議所で活動していたことがありますので、"熱かった"昔を思い出しました。
私達の時代には「まちづくり」運動を各地で展開し、私自身当時は香南市夜須町での海辺のまちづくり(ヤッシー・パークやYASU海の駅クラブで実現)や高知市の都市再開発問題にかかわり、行動したことがありました。同時期Jリーグの発足時期でしたので、各地の青年会議所は資金やサポーターを集め、日本発のプロサッカーリーグ誕生の原動力になり、チームの「ホームタウン化」に多大な貢献をしていました。
東日本大震災の支援活動は立派で賞賛しています。ただ1つだけ不満があるとすれば、震災直後に起きた福島第1原子力発電所の事故と放射能漏れ事故のことです。原子力発電所を今後どうするのか?それに対する行動が青年会議所の皆さんにはありません。
青年会議所の理念は「明るい未来を」こしらえることであり、綱領にあるように「われわれJCは社会的、国家的責任を自覚し、志あるもの相集い、力をあわせ 青年としての勇気と情熱をもって明るい未来をつくりあげよう」とあります。
そうであるならば今回「人災」である福島原子力発電所の事故や、今後についてのコメントや発言、行動がないのが気になります。
高知においても4年前東洋町に全国の原子力発電所から排出された核廃棄物の最終処分場の話が具体化し、前町長が文献調査に応じるという危機的な状況がありました。
当時は「土佐のおきゃく」とか言うイベントをやっていまして、産業界や商業会の皆様は全く東洋町の高レベル放射性廃棄物問題には無関心でした。頑張っていたのは東洋町の人たちであり、それを支援する隣町の徳島県の人たちや、サーファーの人たちでした。
わずかに高知市では外京ゆりさんのグループが街頭署名活動をする程度でした。(わたしも当時何回か参加してことがありました)。地域の未来や子供達の未来を担う活動をされている青年会議所や経済界の人たちの原子力発電諸問題や核廃棄物問題への無関心さは問題であるとわたしは思います。
もし4年前の東洋町長選挙の結果が逆で、核廃棄物処理場推進の町長候補が当選していたら、今頃廃棄物施設の建設が本格化し、全国の54ある原子力発電所からの使用済み核燃料や、それから更に危険性を高めた高レベル放射性廃棄物が、すべて高知県東洋町へ持ち込まれることになっていたのです。
今回の福島第1原子力発電所の放射性廃棄物のすべても東洋町へ来ていた可能性もあったのです。とても土佐のおきゃくだ。観光振興だと言えたものではないでしょう。
現在も原子力発電所の問題は他人事ではありません。四国にも愛媛県伊方町に原子力発電所が稼働しています。四国の電気の4割を発電しています。それをどうしたらいいのか?子供達の未来を語るなら、どうすればいいのか?冷静沈着な議論が今こそ必要です。
最近の高知青年会議所や各地の青年会議所は、国会議員候補者や首長候補者の討論会を主催されてきました。大変良いことです。今こそ国民的課題にある「原子力発電所問題」の討論会や議論を青年会議所や産業界の皆様は行っていただきたいと思います。
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