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2011.04.20

「原子力と環境」を読んで

Gensiryokutokankyouhonhyoushi
 「原子力と環境」(中村政雄・著・中公新書ラクレ・2006年刊)を図書館で借りてきて読みました。筆者は九州工業大学を卒業後、読売新聞社へ入社。科学畑を担当。退職後は電力中央研究所名誉顧問をされています。

 この本が発刊されたのは2006年。小泉内閣時代。日本が新自由主義という身勝手な時代背景がありました。

 エネルギー需要への対応と、地球温暖化を考慮した場合の処方箋は「原子力発電しかない」と筆者は主張します。核燃料リサイクル計画も、高速増殖炉の開発と、それまでは中古の原子炉でMOXというプルトニウムを含んだ核燃料を燃やす。プルサーマル計画を福島第1原発や伊方原発、玄海原発へ導入。浜岡原発へも導入予定でした。

新聞社の科学記者であり、マスメディアにも大きな影響力があった人だったんでしょう。原子力発電を日本が国策として推進した原動力の1人ではなかったかと思いますね。

 新しい原子力発電の建設。原子力発電の輸出。日本の未来は明るいと筆者は強調していました。しかし東日本大震災のより福島第1原子力発電所は壊滅的な被害を受け、今や放射能汚染の脅威はますます高まっています。

 今となっては筆者の構想は大幅に変更を余儀なくされるでしょう。筆者は福島第1原子力発電所の惨状にどうコメントするのでしょうか?

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