世界が見たニッポン「政治もメディアもイカれてます」
今週号の週刊現代も、なかなか頑張っている。テレビなどでは得られない情報が満載といえます。
関係者の懸命な努力に関わらず、福島第1原子力発電所の状況は未だに改善しません。深刻なのは原子炉を冷却するために、自衛隊や消防による大量の注水作業が3月から始まりました。ようやく電源が回復した4月から、循環式の冷却装置が稼動したそうですが、地震で配管が損傷し、いたるところで漏水しているようです。
しかし高濃度の放射線の影響できちんとした修繕は出来ていないそうです。現在のテーマは汚染水の浄化ということで、高価な除去装置がフランスやアメリカから購入されていますが、「経験不足」なのか十分に稼動していません。汚染水は除去しなければ、原発敷地内から溢れ出る可能性が出てきました。
〈もっと細かく全国1000ヵ所を独自調査〉列島縦断 放射能はこんなに出ている――想像以上、汚染地域は日本各地に拡がっていた〈実測数値を全掲載〉 (P36)
週刊現代は、全国各地の都市の放射線量を独自に測定し、今週号で公表しています。それによると、下の小見出しのような地域分布になるようです。
「流山に新たなホットスポットが」「都内の高線量地域 ・徹底調査!」「 名古屋、大阪はなぜ高いのか」 「原発周辺地域は総じて高い」 「東北の現実 」
政府や原子力保安院や東京電力の「安全情報」を国民各位、特に首都圏の市民がまったく信用していない証拠でしょう。
【スクープ】福島第一原発 現場からの内部告発 流れ出す放射能汚染水 (P48)
命がけで原発被害を食い止めようとしている原発作業員の作業環境は過酷。原子炉冷却とのため注水された水が、大量の放射能汚染水として原子炉内や建物地下にたまり、一部は地下に漏水していいるとか。証言によると汚染水処理は簡単ではなく、7月4日が1つのめどであると記事が書いています。
福島の「放射能汚染」を調べ続ける科学者・木村真三氏「この驚くべき調査結果を見よ!」(P52)
元労働安全衛生総合研究員であった木村真三氏。福島原発事故の直後、安定した研究員を退職,市井の放射線研究者として福島県各地を巡回して、測定している。放射能に汚染された地域の人たちの日常的な疑問に、木村氏は丁寧に答えています。全国各地から調査依頼が殺到しているといいます。
本来は政府や自治体がやるべき仕事。テレビで「安全だ」とのたまわっている原子力学者の人たちの仕事であると思います。国民はテレビでの彼らの発言を一切信用していないと思いますね。
原発官僚 大いに語る (P56)
このあたりは裏取ができない情報。よくある覆面官僚座談会のようなもの。高級官僚の「無責任さ」は今に始まったことではないから。驚くには値しない。
世界が見たニッポン「政治もメディアもイカれてます」 (P60)
NYタイムズ東京支局長の独白。「日本で起きた事故なのに、ワシントンから入ってくる情報のほうが的確」と言います。いったい日本のテレビ局や大手新聞社はなにをしているのでしょう。まるで二次大戦中の統制メディアとおなじではないでしょうか?
鎌田慧「僕は原発を止められなかった」 (P68)
鎌田氏はフリーのルポライター。自分が原発を止めらなかったことを心底悔やんでおられます。その記述を説得力があります。詳しくは週刊現代を購読して読んでみてください。
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