高知駅前の龍馬関連4億円施設についての費用対効果は?
日本経済新聞四国版の7月15日の記事は客観的に書かれていました。高知新聞はイベントにも関与しているのか、扱いが大きすぎると思っていましたから。
記事では3月から開催している高知県の観光イベント「志国高知龍馬ふるさと博」のメーン会場となる「龍馬伝幕末志士社中」が9日JR高知駅前にオープンした。昨年の「龍馬伝ブーム」に沸いた反動減にお影響をどれだけ和らげる起爆剤になるかどうか。
施設の目玉がNHK大河ドラマ龍馬伝の撮影に実際に使われた生家セット。出演俳優が実際に着用した衣装や小道具が展示された幕末ゆかりのパネルが並んでいるとか。生家のセットの移築建築費用が7500万円。生家を収容する建物や駐車場などの周辺工事費用も含めた総事業費は3億8000万円とか。
「話題」の発砲スチロール製の3志士像の制作費が500万円程度かかっているとか。高知県観光の「起爆剤」になればよろしいが、どうなのでしょうか?
一部に「関係者が懸命に高知のためにやっていることなのでぐだぐた言うな」とのご意見もあるようですが、県民の税金で4億円のお金を費やしてやっていることなので、県民誰にも発言する権利はございます。言論の自由を封殺するような意見を吐くべきではないことを忠告しておきます。
記事では大河ドラマのブームに沸いた翌年は、観光客が減少するのはあたり前であると記述しています。2008年の「篤姫」ブームの鹿児島も例外ではなかった。
まして今年は例年どうりの「反動減」に加え、東日本大震災の影響と、高速道路休日1000円の終了により観光客が激減する可能性はあります。
記事には気になる記述もあります。
「中国地方のあるバス会社は龍馬ふるさと博開催に合わせたバスツアーを企画したが、参加申し込み人数が足りず、7月はツアーが成立しなかった。
テーマが総花的で、注目度も低くなっているこのままではツアー成立も難しい。」
「拠点となる箱物は建ったが、それを起爆剤にソフトコンテンツをどう充実させていくことが重要だ。」(大手旅行会社)
「高知しかない何か」を求める観光客のニーズにどう応えるか。高知観光の地力が問われる。(日本経済新聞高知支局長・岡本憲明)
やはりNHKに多額の費用を高知県は支払っていたのですね。当然「費用対効果」は問われます。知人の高齢者の人が,昨年同様にあった「記念館」のなかで写真撮影をしていたら係員にとがめられたとか。
その爺さんは激怒したそうです。「もともと坂本龍馬は高知のものじゃだろうが。それをテレビ局に銭を払うて借りてきて、写真が撮影したらいかんというのは何事じゃ!」私も思いは同じです。
高知を訪れる観光客は「高知しかない何か」を求めてくるのです。あの施設が高知県観光のインフォメーション・センターの機能を果たせばよいとは思います。どうなのでしょうか?そうは思えません。
高知県下に数ある坂本龍馬関係の小規模な施設(坂本龍馬記念館・高知城。龍馬が生まれたまち記念館。龍馬ろう人形館など)が1つ増えただけなのではないのでしょうか?
あそこから奥深い高知県各地の観光情報の発信基地の機能があるのでしょうか?そのあたりはわかりやすくには表示されていませんね。
2年がかりで検討したはずの高知市東西軸活性化協議(高知城からはりまや橋までの元中心市街地活性化案(残念ながら現在の高知の中心市街地は大嫌いなイオンモールです)はどうなっているのでしょう?
提案書を2000部程度こしらえて終わりでした。担当者も今年人事異動しており、情報ははいりません。
ということはこの高知駅前の「観光事業」にしても「予算消化型」の一過性のものであり、それも観光ツアーが成立しないぐらい魅力の乏しいものでしかないのではないでしょうか。
もっと高知県には「面白どころ」がありますよ。市民県民の意見を集約する方法手段の開発を当事者はまじめにしないといけないですね。
間違っても九州電力のような「やらせ賛同メール」のような稚拙な手口ではいけないことは言うまでもありません。
(坂本龍馬の生家セットが内臓されているという建物です。)
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