菅内閣の総括は
新聞各紙には菅直人首相退陣のニュースと論評が掲載されています。総じて「期待を裏切った市民派総理」とかいう主張が多いようです。退陣3ヶ月くらい前から「菅首相が退陣すれば日本はよくなります」といった極論も語られるようになっていました。
そして代表選挙の結果、野田佳彦氏が次期総理大臣になりました。
ようは「首相になる野心とやる気」はとてもありましたが、「首相になる準備も心構えも、政策や戦略がなにもなかった。」ということになりますね。
昨年7月の参議院選挙の大敗は、菅首相の「消費税増税発言」によるものでしょう。野党の自民党も10%の消費税案は当時言っていた。後出しで乗っかって主張したのですが、衆議院で民主党は絶対多数を占めていた。参議院で多数を占められたら、消費税は即10%になる。国民はそれは困る。ということで野党に投票し、民主党は大敗しました。
参議院選挙に与党が勝つのは最近は難しい。負けるにしてもあまりにも負け方が酷すぎました。
おかしかったのは昨年9月の民主党の代表選挙。菅氏と小沢一郎氏との一騎打ちでした。民主党党員の多くは「3ヶ月で党首を変えてはいけない。」という消極的な理由で菅氏を支持しました。それが間違い。参議院選挙大敗は国民の民意。あの時点で退陣すべきであったのです。
増税路線と財政再建は、菅内閣が三顧の礼で迎えた与謝野氏によるものでしょう。最初の頃こそ存在感がありましたが、このところ全く埋没していました。どうしたことでしょうか?
日本の財政赤字が深刻になっています。また日本の電気料金は格段に高い。それは歴代の自民党政権が景気対策と称し公共事業をどんどん行なってきたからです。行政だけでなく、電力会社にも設備投資をさせ、その多くは原子力発電所でした。そのつけが一気に今頃出てきたのですから。
菅直人氏は、民主党政権になったばかりのころは、副総理であり、国家なんとか担当(あまりにも存在感がないので名前すら忘れました。)をしている時代に、あるべき国家像、あるべき日本の姿を考え、自分がリーダーになったときにすぐに方針を出す。こういう機会もあったのに、居眠りばかりして何もしませんでした。
何もしなかった人をリーダーに選んでしまった民主党にも大きな責任があります。
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