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2011.10.03

「ぼくの血となり肉になった500冊 そして血にも肉にもならなかった100冊」を読んで

Tachibanatakashihonh


 図書館で借りてきました。題名は「[ぼくの血となり肉になった500冊 そして血にも肉にもならなかった100冊」(立花隆・著・文言春秋・2007年刊)という長いこと。凄まじい読者量の立花隆氏でありますが、一読してその凄さがよくわかりました。

 前半は編集者との対談でしょうか。作品をこしらえるに当たり、調査する場合に関連図書を読み込んでいく様子が淡々と語られていました。読書の領域も実に広範囲。政治に経済、文学に歴史、哲学、宗教、科学、医学、物理、数学、など人文科学、社会科学、自然科学分野まで。まるで総合系大学のようです。

 そのなかで特に興味をひいたところ以下のの箇所でした。

「しかし、質問を受ける側になると、質問内容が確定していないと答えようがない.文科系の人は、政治家なんか特にそうですが、なにか質問しても、その質問を自分で勝手に変えてしまって、中身は違う問いに饒舌に答えてみせるなどということが日常茶飯事です。
 
 しかし理系の人は一般に質問にちゃんと答えようとします。質問に曖昧なところがあったら、まずそこをはっきりさせようとする。だから曖昧でいい加減な質問にはすぐ反問がくる。

 (中略)

 インタビューというのは、質問を受ける側の知性が試されると同時に、質問する側の知性が試されることになるという側面があります。」(P144)

 立花隆氏といえば「日本共産党の研究」のときも調査の徹底性が発揮されておりました。

「立花 木島隆明というのは,リンチ事件当時、中央委員のワンランク下の中央委員候補として宮本らのリンチ殺人に全面協力してリンチにも手を貸して逮捕された党員です。それが逮捕されてからリンチ殺人事件の全プロセスを全面自供した。その調書(木島隆明調書)がこれなんです。

                   
 すごい資料ですね、警察調書から、検察取調調書、予備調書、それに裁判の過程まで全部ある。リンチ殺人事件の全貌ですね。これは。

立花 これがあったから、共産党がどんなに攻撃してきても。びくともしなかった。」(P156)

 立花隆氏も現在はガンになり闘病生活も経験されたようですが、知的生産力は果てしないなとただただ凡庸な市井の1市民は感嘆するばかりです。

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