第4回防災人づくり塾を受講
第4回「防災人づくり塾」(高知市危機管理室主催)の講師は、片田敏幸氏(群馬大学教授)でした。二葉町自主防災会メンバー5人で揃い受講しました。
3月11日の東日本大震災は。死者が15840人。」行方不明が3607人。合計19447人の大災害でした。
片田敏幸氏は防災教育の実践者。地域に入り込み子供たち主体の「防災教育」を実践し、今回の東日本大震災でも、顧問をしている岩手県釜石市で成果を上げられました。3000人の小中学生が殆ど助かり、なくなったのは5人でした。
中学生たちは保育園児や高齢者まで救助し、一緒に小学生たちと逃げて、高台へ逃れきりました。避難の途中で亡くなった人は皆無でした。
片田氏は「現在のやりかたの防災教育では駄目だ。大人相手ですと毎回同じ熱心なメンバーばかりが受講する。1番聞いていただきたい子育て世代がこない。そのために子供たちへ20年計画で、10年刻みの防災教育をすることにしました。」
片田氏の信念は「当たり前の地域の文化として、津波からの避難誘導をしなければならない。
海溝型地震はとにかく揺れるのが長い。揺れが長ければ長いほど大津波が来る。高知県は地形的に「最悪」津波が沿岸で跳ね返され、後から来る津波と重なり、大きな津波になりやすい。津波警報が解除になるまでは、高台を離れてはいけない。
とくに増幅して「ピンポイント」で津波が想像以上に高くなる。
片田氏のキーワードを講演から拾い出します。
「日本は災害大国。地震。津波、台風、大雨、大雪で年中災害が起きている日本。狭い国土に1億3000万人が生活しています。
「過去(100年来)津波が来なかった地域での死亡者が多かった。」
「今回の大震災は想定にとらわれすぎた地震でした。」
「災害だけは老人の言うことを聞いてはいけない。」
こうも言っていました。
「大いなる自然の営みに畏敬の念をもち、行政に頼ることなく、自らの命を守ることに主体的になれ」
「避難の3原則
①想定にとらわれない。ハザード・マップを信じきるな。
②最善をつくせ。津波では1メートルでも高いところへ逃げること。
③率先避難者たれ。(人には正常化の偏見がある。自分の命を守ることは、みんなの家を守ることに繋がる。
そしてこういわれました。
「冷静に自分と向かい合い。自然の恵みを得る。災害をやり過ごす知恵を持つことは、豊かな自然の中で生活するための条件」であると。
「災害ごときで人を死なせないこと。」帰宅困難や避難生活、避難所運営、復旧。復興は生き残ったひとのための防災は、その次だ。
これからの防災に求められること
災害時にやるべきことは、想定にとらわれることなく、平時のうちにできる最善の行動をとるだけ。平時の時にできることを積み重ねること。
「誰がやるべきか」から、「誰ならできるのか」という視点をもった地域防災。
大いなる自然の猛威に対して「誰がやるべきか」の議論は不毛である。
最善を尽くした結果、命が守られる為の避難計画。段階的避難所計画。
立地場所などに応じて雛所に安全度を設定。最善を尽くして。できうる限りの安全度の高い避難施策をつくること。
住民の最善の努力を前提に、その結果得られる安全度を高める為の避難施策をこしらえる。 実行すること。
実際の体験に基づき、成果をあげられた人だけに、説得力がありました。
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