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2011.11.05

被害者を打ち据えているのは教育関係者が多い

 今年は2011年の「9・11」から10年目でした。2001年の10月でしたか、その直後でしょうか。下の子供が通っていた付属中学で釈然としないことがありました。修学旅行先を沖縄から、大阪に変更する。ユニバーサル・スタジオへも行くとのことでした。

 学校側の説明は「沖縄は米軍基地があるので、テロの可能性がある。危険なので旅行先を変更しました。」ということでした。

 わたしはその説明に納得できませんでした。なぜなら当時付属中学は「平和教育」と称して毎年修学旅行に沖縄へ行くようになっていました。那覇市の神原中学と交流していました。その中学は家内の出身校でもありました。

 当時日本政府は沖縄に大量の警察官を派遣、安全宣言を出していました。政府も声明を発表し、沖縄は安全です。風評被害に惑わされないようにと懸命に説明していました。にもかかわらず付属中学の対応は、沖縄への修学旅行を一方的に中止しました。
 
 わたしは校長に「あなたたちの唱える平和教育は偽者ですね。同じ日本人が沖縄へテロの危険があるから行かせない。では沖縄に住んでいる人たちは、その行為に対してどう思いますか。交流相手の神原中学の生徒さんたちは、釈然としないでしょう。」と言いました。

 校長は職員会議で決まったこと。神原中学にはこちらの事情を説明に納得していただきました。今後も交流は続けます。という腑抜けた回答でした。わたしは呆れるしかありませんでした。

 修学旅行先が韓国とか、中国とか海外ならわかります。危険性も国内よりあるかもしれません。米軍基地が沖縄には多いから危険だ。というのはおかしと思いました。今更なんだ。なんのための平和教育なのか。むしろこういう時期だからこそ、沖縄へ行き向こうの中学生と交流すべきである。

 二次大戦では県全体が戦場になり、敗戦後も米軍に占領され、施政権変換後も米軍基地とともに生きてきた沖縄。こんな時期こそ現地で声を聞き、ともに考える。それこそ本当の平和教育ではないのかと。私は言いました。でも付属中学は聞く耳を持ちませんでした。
 
 同じ時期に徳島県鳴門私立市立中学は沖縄へ修学旅行に行きました。飛行機から降りる時に「私たちは仲間です。沖縄の皆さんと一緒に頑張りましょう。」と垂れ幕を広げたそうです。」沖縄の新聞に大きく掲載されていました。

 高知の付属中学同様に、沖縄への修学旅行を中止し、行き先を変更したのでしょう。本当にむごいことを教育関係者は無神経に平気でするものです。でも鳴門中学はいいことをしました。沖縄へ行かれた生徒たちは多くのことを学んだと思います。

 今回も福島県が東京電力福島第1原子力発電所の事故で、同じ目にあっています。修学旅行が東北地方をすべて避けているからです。

 教育関係者は「人の絆」を大事にしない人たちであると思います。

 人の絆を大事にしない教育なんてあるのでしょうか。本当に嘆かわしい限りです。

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コメント

「事なかれ主義」「自己保身」の学校管理者が激増しているようです。前例のないことはしない。相手の気持ちよりも保身第1に考える教育管理者たち。

 これでは得手勝手な日本人しか出てきません。嘆かわしいことですが、これが日本の教育業界の現実です。

投稿: けんちゃん | 2011.11.07 12:56

「モンスターペアレント」と呼ばれる親がどこの学校にもいて、学校に対して執拗な批判を受けたり、要求を受けたりでその要求に応じているか、批判される前に学校側が「自主的に」安易な道を選んでいるのでしょうが、そんな筋の通らない教育をやっていたら、精神的に逞しい子供が育つとは思えませんね。

投稿: しばやん | 2011.11.07 07:37

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