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2012.02.11

ナベツネ氏の怒りももっともですね

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 今年は沖縄返還40年の年。それを記念してTBSが山崎豊子原作の「運命の人」(本木雅弘・大森南朋・真木よう子。松たか子らが好演)のドラマが日曜日に放映されています。豪華配役人にもかかわらず、視聴率は低いとか。私個人とすればなかなか面白い番組であるとは思います。

 ナベツネこと渡辺恒雄氏がサンデー毎日誌に寄稿。怒りを露にしています。
「私はTBS「運命の人」に怒っている!”」というもの。この記事はネットでも見ました。思わぬ場外乱闘が始まったと興味本位もあり、サンデー毎日2月19日号を購入しました。

 ドラマでライバル紙記者とされる山部一雄(大森南朋)が、田中角栄とおぼしき政治家にもみ手でへこへこし、現金をもらったり、摂待を受けている場面。渡辺氏は「断じてありえない!」と怒りを露にしている。

 ただサンデー毎日誌には渡辺恒雄氏はこう書いている。

「何故それが重要かと言うと、彼女(外務省の女性事務官))
のほうが積極的だったならば、検察の言う「ひそかに情を通じ、しつように申し迫り..」という件がなりたたなくなるからだ。」(P118)

 渡辺氏はライバル紙でありながら、裁判では西山記者弁護の証人として法廷にも出廷しています。

「にもかかわらず、わたしが西山擁護にかな深入りしたのは。報道目的で国家機密を入手しても逮捕拘禁されるという習慣が生まれれば、言論・表現の自由が侵されると危惧したからだ。」(P118)

 渡辺氏は孤立無援の西山氏の裁判での証言で支援したばかりか、息子さんの就職の世話までしたといいます。だから「西山記者は清廉潔白、自分は金権記者」という@運命の人」の描かれ方にぶち切れたんでしょう。

 渡辺氏は沖縄返還問題で重要なことも書かれています。

「私はワシントン支局長として駐米中、むしろ「ナワ(沖縄)とイトの取引き」といわれる繊維問題に集中していた。沖縄返還のために払った繊維産業救済の為のカネは巨額のものだった。

 中略

 なお西山秘密文書の400万ドルの原状復帰費用より,繊維産業による補償金のほうがはるかに巨額だった。

 佐藤さん(首相)は沖縄返還を急がず、アメリカに足元をみられていろいろな条件をのむ前に、基地の将来像、住民の生活、島の経済の発展、アジアの中での沖縄基地の位置づけ等を、後に問題を残さずように周到に交渉すべきだった。

 そのため、何年か返還が遅れても、今日のような日米政府間、日本政府と沖縄住民との間ので「トラブルの起きないような返還条件もあったのではないか。

 中略

 密約までして佐藤首相が返還という歴史的功労を急がなければ、西山。三木」両君も犠牲にならずにすんだかもしれない。

 さりながらどう考えても、西山君は身時からの新聞には書かず、野党議員に彼の得た秘密文書を国会で暴露させ、それによって取材源に社会的損失を与えたことは否定できないし、同情の余地はない。」(P119)

 やはりネットだけの情報ではナベツネ氏が怒ってるぞという下世話な話におわりますが、なかなかどうしてシビアなやり取りがあったと思いました、、渡辺氏の存在もあらためて見直しました。やはり情報は有料で購入しないと駄目ですね。

 ネットでの情報もやはり都合よく「切り取られて」いるのですね。ネットを読んでいるから新聞も雑誌も購入しないということを自慢されるひとが時折おられますが、「とんでもない愚か者」であると思いました。

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