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2012.03.17

さらば橋下徹と維新の会

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 一体何をやっているのかわからない。ただただ相手を攻撃(攻撃するのは労組など社社会性のない弱い相手)して、なにやら喝采を浴びているようです。

 南海地震が起きれば倒壊することが間違いない咲州庁舎で「大阪都」構想の会議をする無神経さ、危機管理のなさに呆れるほかはない。マスコミのそのあたりを全く追究しない。おかしいのではないのか。

 橋下徹大阪市長は「3・11」以降、日本の社会が全く変ったことを気がついていない。いや意図的に無視しているんでしょう。危機意識が皆無な人物だからです。

 さて最近面白くないので論評をしてこなかった野良犬メディア(週刊現代)ですが、2012年3月17日号には面白い記事がありました。

 「西部邁 民主主義のど真ん中から「愚かなご主人様」が生まれる 橋下徹ちこの時代。私は高考える」(週刊現代3月17日号 P180-183)はなかなか面白い記事でした。

 週刊現在さんごめんなさい。あんまり面白いのでブログに画像を貼り付けました。

「17世紀のヨーロッパの言葉で「すべてを単純化する恐ろしい人々」というものがありますが、橋下さんたちはまさにこれにあたります。「すべてを子供っぽくする哀れな人々」ばかり。

 残念ながらそれが日本の現状なんでしょう。(「庶民の知恵なき「議院」P182)

「確かに、明治維新では「ご一新」と言って「古いものをはすべて壊せ」「すべて一新せよ」という風潮があったことは事実でしょう。しかしこれは根本的に間違った考えです。

 「維新」の「維」の字には、糸が縦横に繋がっているという意味がある。「過去・現在・未来がしっかりと繋がった歴史がある」ことを指す言葉です。

 つまり、古くからある国家としてのコモンセンスを、現状に合うような形で新たに応用していく。それこそが、本来の「維新」ということ。ところが平成改革のどれ1つとっても、日本に古くからあるコモンセンスを守りつつ現状を改革する、という真の意味での保守的改革論は、ほとんど1行もありませんでした。

 変革自体はいい。しかし何を守るたまの変革なのか。それが維新論、革命論の本質なんですが、橋下さんがそれを分かっているようには思えません。(維新は「御
一新」にあらず。P181)

 もとは60年ブントの活動家で、今は右翼言論界の重鎮になっている西部邁氏にとっても、橋下徹氏と維新の会は、「幼稚なデマゴギー集団」としか写らないようで意外にも、全く評価していません。むしろボロクソですね。

 アメリカの大統領選挙は、延々と予備選挙をやる中で、いろんな角度から議論され、淘汰されてかつ残ったものが、「アメリカ帝国」のリーダーになる。そういう過酷で長いプロセスがあるから、独裁者が台頭するのを防止する仕組みがアメリカにはあると西部氏は言います。日本はそれがないから「危ういとも」。

「日本においては、議会政治のメルトダウンと、政党政治のブロークンダウンが急速に進行しています。議論やチェックがないに等しい。そんなところで首相公選制をやろうとするなら、我々は「民主主義のど真ん中から独裁者が生まれる:可能性、それどころか必然性を考えなければならない。

 アドルフ・ヒトラーは1933年の授権法(全権委任法)で独裁者になったわけですが、何も勝手に全権を奪ったわけではない。国民投票でそれを決めたのです。

 過去の数々の実例を見れば「議論なき、議会なき公選制」がどれほどインチキで、トンチキな最高指導者をもたらすかということは、歴史の教訓の第1に挙げられるべきです。」(P182)

 ヒトラーに全権を委任したドイツ国民は、6年後の1939年に第2次世界大戦に突入。12年後の1945年に惨めな敗戦で国土は焦土となりました。

 西部邁は「船中」ではなく「車中」で思いついただけであり、車でも乳母車だろうと悪態をついています。実に面白い。

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コメント

ナンチャッテさとみ さんこめんとありがとうございました。

 ご紹介の記事のように、天皇陛下は「国旗・国家を国民に決して強要したくはない」と言うのが本音です。そのお気持ちが全く分からない「自称愛国主義者」が国を滅ぼすのですから。

 橋下も石原も陛下の意向をまじめに聞けといいたい。歴史を冒涜するなといいたい。

投稿: けんちゃん | 2012.03.26 07:20

私も「さらば」です。
特に、日の丸・君が代の強制が横暴すぎますね。

この件に関しては、1行で結論が出ます。
http://www.kit.hi-ho.ne.jp/msatou/04-10/041029katayama-kokkikokka.htm
いくら忙しいとは言え、新聞ぐらい目を通すべきだと思います。
それとも、維新の会の人って漢字が読めないのでしょうか?

投稿: ナンチャッテさとみ | 2012.03.26 00:54

しばやんさんコメントありがとうございました。

 大阪が酷いので「反面教師」の橋下が出てきたというわけですか。しかしあまりに劣悪でレベルが低すぎますね。

 論争といってもかれの議論は相手に言わさない、いわゆるテレビ討論の手口の踏襲。詭弁家です。弁護士ですからね。

 テレビタレントで終わればいいものを現実の政治で劣悪なことばかりしています。

 まあ相手が世間ずれした労働貴族ですから、そりゃ橋下には勝てんでしょうね。

 でも橋下の論議はわたしら市民には通用しませんから。

投稿: けんちゃん | 2012.03.19 20:50

維新の会が大阪で人気があるのは、今までの大阪がひどすぎたからで、自らの給与を削って公務員天国にメスを入れたり、杜撰なチェックで似非弱者に福祉の金が流れたりしていたのを斬り込んだことに溜飲を下げた人が多かったからでしょう。

西部邁氏の記事は私も同感です。
民主主義やグローバリズムや市場原理主義が普遍的な真理であるとの考え方は、維新の会だけでなく他の政党にも信奉者がかなり多いのですが、そういう考え方を押し通すところに橋本氏の「車中八策」には危うさを感じています。

しかし、彼との論戦に勝てる政治家や評論家がでてこないのも、ちょっと情けない話ですね。

投稿: しばやん | 2012.03.19 00:10

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