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2012.04.14

「バイオマス材収入から始める副業的自伐林業」を読んで

Nakazimakhon

 3月9日に仁淀川町で開催されました「Bスタイル・プロジェクト報告会」で会いました中島健造さんからこの本を購入しました。

 中島健造さんは、土佐の森救援隊の事務局長として、いまや「土佐の森方式・自伐林業推進事業」での伝道師として全国各地を講演され巡回されているようです。

 全国的に日本の林業は衰退産業。かつては「山師」とか言われ。森林主は大金持ちの人も存在した時代が50年ほど前の日本ではありました。手すき和紙の原料のこうぞ・みつまたも栽培され、建築材料として檜や杉は高値で取引され、炭などは家庭の熱源として使用されていた時代がありました。

 また売り物にならない材木は薪として、風呂を沸かす熱源とて、料理の煮炊きに使用するかまどの熱源として、薪は都市部でも広く使用されていた時代がありました。わたしが小学生の頃(1964年頃まで)、高知市知寄町の祖父母の風呂は薪で沸かしていましたから。

 高度成長時代に海外材木の大量輸入と関税を安くする政策、、エネルギー革命でのガスや石油の使用拡大で、日本の森林は「お金を生まなく」なり、森林は荒廃し、間伐もされず、人工林の杉や檜が日本の森林の大半となり、手入れされない森林が多く山は荒廃しまいました。
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 平成15年頃に高知県で土佐の森救援隊が出来ました。その頃の森林業界の雰囲気は「素人が森林へはいってくるな。ボランティアになにができる。」という極めて冷たい状況であったと中島健造氏は言っています。

 しかし大方の予想に反して小規模林業者、ボランティア間伐隊などからのC材、端材、林地残材の流入が大量に木質バイオマスプラントに搬入されたそうです。
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 古い資料記事ですが「木質バイオマス地域循環システムについて」という表題で,以前中島健造さんにお話していただいたことがありました。

  わたしは林業のこと、山間部の地域の事情には、大変疎い人間の1人です。ただ昨年の東日本大震災以後に山間部の仁淀川町と沿岸部の二葉町との交流が中島健造さんの仲立ちがきっかけで始まりました。
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 著作の中でのこの箇所が「土佐の森 自伐林家育成システム」の核心ではないかと思いました。引用したいと思います。

「かつては当たり前だった「自分の山は自分で管理する」「自分ひとりで管理できなければ寄り合い(協働・地域コミュニティ力)で助け合う」ことを提唱し、農山村ボランティア、団塊世代のセカンドワーク、若年層のアルバイト、さらには農家やサラリーマン等の副業となるような自伐林業システムを構築し。成功事例づくりに邁進する。

 これにより、山村地域にもう一度、山を守る林業を復活させる活動を継続する。つまり小規模林業・副業的自伐林業(自伐林家的森業)を復活させることにより、森林と山村を再生し、さらに地域温暖化防止も推進させるねらいを付加した持続可能な活動を続ける。」(「土佐の森救援隊の基本方針」(P25)

 活動の具体的方針につきましては6つの項目で方向性が出されています。

(その1)「病める森林や山村地域の活性化や問題解決のために、最近疲弊した「林業」を古くからの林業のありかたを参考にした「森業」に転換し、NPOのマンパワーを地域づくり、地域おこしにつなげること。

(その2)「森林を所有する自伐林業、また林業に関心のある森林を所有しない他伐林業を掘り起こし、主体的に林業に関わっていける仕組みをつくること、」

(その3)「森林。林業に関わることがなかった都市部住民に森林。林業。山村における諸問題に気付いてもらい、その解決に自ら参加できる道筋をつけること。」

(その4)「森林・山村における諸問題を解決するための実践活動を、行なうことのできる人づくり、組織づくり、ネットワークを構築すること。」

(その5)「農山村の伝統文化や技術。魅力を経済活動につなげ、地域の活性化のための取り組みを行なうこと。」

(その6)「これらの活動を、ボランティア精神を根底に、継続できるよう、経済基盤のある組織と運営方法を確立し、山村におけるリーダーシップのモデルケースとすること」(P26)

 作業方法も慎重に行い、事故防止に努めているようです。

「間伐作業は常にオーソドックスに行い、アクロバティクな対応や、生産性に走る対応は皆で注意し戒めている。
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(子供たちへの啓発活動もされています。)
 疲れたら休み、無理をしないように心がけている。このオーソドックスでスピードを求めない作業が、事故の少なさにもつながっている。

 土佐の森の活動は自伐林業の推進や広報ではあるが、本格的に業として稼ぐ場ではなく、その前段であると。

 ある参加者にとっては林業技術研修の場であり、また別の参加者にとっては趣味林業の実践の場であったりする。この参加目的も自由である。

 ただ、自伐林業として、間伐→造材→搬出→運搬→市場出荷、作業道づくり、森の管理という基本的仕事は、きちんと行い経験するとともに、林業の全体を参加者が把握できるように運営している。」(P28)

 このあたりが「核心」ではないのでしょうか。

 しかし現実は、国の林業政策も、森林県である高知県の林業政策も、この「土佐の森方式」である自伐林業育成システムではない。対極の「集約化・大型間伐方式」の林業方式に傾いている。まるで農業政策と同じやり方ですね。

 大型の搬出機械などに多額の補助金を行政が出し、全山皆抜という大変乱暴なやりかたを「奨励」しているのです。その理由は「海外材と対抗する為」「安値で木材を搬出する為に」に山から搬出する材木料を増加させるだけの林業政策にすぎません。

 土佐の森方式にしてもよほど良いA材が搬出がない限り、専業林業として経済的にはなりたたないようです。自治体や各種交付金矢「企業の支援がなければなかばか自立はできないのが現実のようです。

 それは集約化、大型化する専業林業業者とて同じであり、多額の税金が投入しない限り成り立たない林業経営に過ぎません。

 土佐の森方式は、環境対策や雇用対策、都市と山間部をつなぐやりかた、「もり券の発行(地域通貨)」などユニークな循環システムは、日本全国へ普及しても良かろうと私は思いました。

 詳しい活動は土佐の森救援隊事務局長の中島健造さんのブログを参考にしてください。

 里山’s Bar ~おおのたまらん!土佐の山・里 

Mokushituplantzu


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