クロネコヤマト的な発想で政治改革を
40年前の今頃は、留年して高校4年生でした。翌年の1973年に関東の大学へ進学しました。そのときの不便さを今も覚えています。
当時は宅配便などなく、国鉄で駅留めで荷物を頼むしか方法はありませんでした。ふとんや衣類を駅へ持ち込みました。伊野駅でしたが、昼休みの時間はカーテンを閉めて食事中。昼休みが終わるまで待たされました。
当時は大口貨物主体で、個人の荷物など運送会社は歯牙にもかけませんでした。国鉄もそうでした。郵便小包も大きさに制限があり、紐を2箇所以上かけ、荷札も2つつけないといけまんでした。実にめんどうでした。
クロネコヤマトの尽力で、卒業する1976年には宅配便が登場しました。電話すれば自宅まで荷物を取りに来てくれました。しかも全国津々浦々へ配送してくれます。
会社のWEB販売部門でも、いまや北海道から沖縄八重山まで注文があれば配達してくれるのでとても便利です。「ゆうパック」の郵便小包が大赤字だと言われていますが。当たり前でしょう。クロネコヤマトの細かさや対応にくらべ、「ぞんざい」だからです。
個人の荷物だけでなく業務用の荷物の多くもクロネコヤマトにシフトしているようです。
さて同じことは日本国の政治状況にも言えるのではないでしょうか。
おそらく8割以上の日本国民は、大飯原発の再稼動には反対のはずです、またこのデフレの大不況下の消費税の増税には反対のはずです。しかしその「民意」は全く地方自治体へも国会へも届いていません。
一見組織力をもった大企業や政党組織や、労働組合なんぞは強そうに見えます。しかしそれは少数派の業務用の需要家に過ぎません。
クロネコヤマトは宅配便参入にあたり、大手百貨店の配送業務を断ってまでしたと聞きました。大変な労苦もあったでしょうが、現在の日本社会にはなくてはならないインフラになっています。
クロネコヤマトは膨大な個人の需要をつかみ、卓急便という新たな市場を創造しました。
政治の世界でも同じことでしょう。大多数の国民は、脱原発志向です。大飯の再稼動にも反対。消費税の今の時点での増税には反対。最優先の政治的課題は東日本大震災からの復興と、福島第1原発の廃炉と原発災害からの復旧です。増税などその後なんですよ。
「みかけの多数派」にまどわされてはいけないと思いますね。
かつてクロネコヤマトが宅急便という市場を創造したように、組織されていない一般国民と繋がって、「脱原発」「雇用と景気対策」「国民生活最優先」の日本社会をつくりあげてほしい。
ちゃんとした政党や社会運動体が登場しなければならない。そしてその運動体には国民1人1人が、小額でも毎年政治献金して支えていくしくみづくりもまた必要であると思います。
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