「ディズニー式 サービスの教え」を読んで
「ディズニー式 サービスの教え」(小松田勝・著・宝島社新書・2012年刊)を読みました。この種の「ハイツー本」は、古本で3~4年後に、105円でブックオフあたりで購入するのが常ですが、お金を壊すのに新刊本で本屋で買いました。
北海道から叔母と従兄弟が9月27日から10月1日まで高知へ来ていました。ホテルや観光施設の対応も高知は今ひとつ。「ホスピタリティ」がないのではないかと思いました。それゆえ大嫌いなディズニーランドですが、読んでみました。
ホスピタリティの意味は「「思いやり」「心からのおもてなし」という意味で
特にサービス業でよく使用されている。」とか。そういうのって高知県人自身が1番希薄で無いのではないかと思いますね。
小松田氏はサービス業のコンサルタント。5年間実際に日本のディズニーランドで働いていたそうです。
ディズニーランドは従業員の9割近くが、パートや非正規雇用社員であるとのこと。にもかかわらず東日本大震災の時は、約7万人の入場者の避難誘導を行い、食料や飲料水を提供し混乱なく事態を収拾したという。液状化で大変だったはずです。
ディズニーの経営姿勢を表す言葉も記述されています。
「クレームが入った時に、真摯な対応をすることで約65%のお客様がリピーターになると言われています。
それが「ジョン.グッドマンの法則」。
連携のとれたチームのクレーム対策が、「他ではここまでやってくれない」という感動を顧客に抱かせ、信頼されるようになるからです。」(P85 「プロフェッショナルサービス業」)
なんだかわかったような、わからんような「もっともらしい」法則ですね。
P51に「ディズニーがもっとも大切にする運営理念」が図解されていました。
最優先は「安全性」。次に「礼儀正しさ」。「ショー」「効率性」高知の観光産業に欠落しているものばかりではないかと思いますね。
叔母たちが雨の日にホテルから車椅子で出かけるのに苦労しているのにフロントから誰も出てきて声掛けもしない。車いす用の斜路にレンタル自転車がだらしなく放置され、全く片付いていない。
「効率性」は、賃金を安くフロントを非正規雇用にしているのかもしれません。
漫画家吉田戦車が見た高知は「龍馬のおじちゃんだらけ」だけでは、観光客は多くは来ませんね。
多国籍企業で世界中から「収奪」しているディズニー社は、基本的には大嫌いですが、創業者ウォルトディズニー亡き後も世界展開できているのは、「サービス精神」が規格化され、パート社員にも本気で「ディズニー共同幻想」を抱かせる仕掛けがあったからなんでしょう。
そのあたりはディズニーに勤務されていた筆者の著作からではわかりませんでした。
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