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2013.05.16

高知県の被害想定と減災対策について

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高知新聞5月16日の朝刊で、高知県独自の南海トラフ巨大地震の被害想定が、掲載されています。

 高知県のホームページで、県の被害想定と対策を一読しました。

 高知県庁は「南海地震トラフ巨大地震による被害想定」を出しました。42000人の犠牲者が最悪出るそうです。

http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/010201/higaisoutei-2013.html


 感想は「あいかわずのひとりよがりな被害想定と対策」にすぎません。なんの根拠にもとづいているのか不明です。100%の自主防災会ができ、すばやく避難すれば津波の被害が低減できるとありますが、地域の事情を考慮しない空論にすぎません。

 第1県庁職員は地域に入り、自分で調査したことはあるのでしょうか?二葉町へも1度も来ません。調査には。仕事で南海地震対策している人たちには、予算も権限もあります。「24時間南海地震の脅威にさらされている住民には予算も権限もありません。」行政側(高知県庁)は、まったく住民生活の現状を調査せず(コンサルまかせではないのか)仮想現実をつくりあげています。

 ねつ造とは申しませんが、何の説得力もないデータです。それが感想です。


 自然地形での高台皆無の高知市下知地域。海に近く、軟弱地盤で、海抜0メートル地帯。地震による地盤沈下も予想され(前回の1946年昭和南海地震でも0・75M地盤が沈下)、津波が襲来する前に地域全体が水没し、地震後長期浸水することが想定されています。
 住民の避難は、もよりの「津波避難ビル」になりますが、地域によりましては避難距離が遠く、しかもご高齢や体の障害で階段昇降が困難な住民も多数存在しています。

 二葉町自主防災会は、下知減災連絡会や下知コミュニティ・センター防災部会を通じて、住民発意の避難方法・疎開方法を提唱してきました。「横断歩道橋型津波避難施設」「浮体式メガフロート(巨大地震津波対策用高密度発泡樹脂浮力体構造物)」「疎開を前提とした仁淀川町との交流」「立体換地の研究」です

 今回「立体換地」の手法に詳しい清藤真司香南市長・野中明和副市長を講師にお迎えし「立体換地から学ぶ下知再生への道」という表題で、5月31日に講演いただくことになりました。(添付資料参照)

 私たちなりに考案した「住民発意」の避難方法を、高知県庁は検討すらしません。何度も担当部署に資料を持参し、提案しました。

 いまだに県が言っているのは「上から目線の住民啓発運動の提唱」です。いい加減に、住民とともに一緒に避難計画や、行動計画をつくるために「降りて来られたら」いかがでしょうか?でもそれは「市町村の仕事」と言われるのでしょうね。
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コメント

今年もよろしくお願い申し上げます。
防災危機管理アドバイザーの尾下と申します。

「災害の危機管理と防災体制の確立」
危機管理の基本は、災害のメカニズムを知り(knowinghazard)、弱いところを知り(knowingvulnerability)、対策を知ること(knowingcountermeasures)です。
防災体制の基本は自助・共助・公助です。しかし、住民は自助・共助・公助は1:2:7 だと思っています。実際は7:2:1 で、認識のギャップと行政任せの住人・個人が、災害対応を困難にしていると言っても過言ではありません。
一般的に、防災とは、災害の被害を未然に(完全に)防ぐための行動・施策・取り組みであり、一方、減災とは、自助・共助を基本に、災害や突発的事故などは完全には防げないという前提に立ち、被害を最小限に止めるため平時から対策に取り組み、一つの対策に頼るのではなく、小さな対策を積み重ね、「BCP(Business Continuity Plan)=事業継続計画」を、家庭に置き換えると、「FCP(Family Continuity Plan)=家族継続計画」積み重ね、訓練して、被害の最小化を図るソフト対策・人づくり重視のまちづくりを行うものです。
最近では、災害対応において「自助/共助/公助」の役割分担への理解の重要性が説かれています。災害は社会全体に影響を及ぼす事象であるために、その影響を受ける個人(企業)/地域/行政のそれぞれの役割を明確にし、お互いに補完し合う必要があります。大規模な災害であればあるほど、「国・行政が何とかしてくれるハズ」と、国民は期待しがちですが、公助にも限界があります。防災対策・災害対応においては、まず自らがその生命や財産を守るという考えが基本となっていると言えます。
かつて日本の地域社会では、困った時にお互いが助け合いの「向こう3軒両隣精神」がありました。しかし、近年「隣は何をする人ぞ」と、言われるように地域住民の付き合いは希薄な状況にあります。しかし、共助の活動を担うのは向こう3軒両隣の住民であり、自助と共助の間を埋める「近助」が重要な役割を果たすと考えられます。昔から「遠くの親戚より近くの他人」、「何かあった場合に頼りになるのはご近所さん」です。それには普段から顔の見えるお付き合いをし、身体が元気なうちは助けられる人から助ける人へ、守られる人から守る人へと立つ位置を替え、必要な時は見返りを求めず、「思いやりの心」と「オモテナシの心」で、地域や隣人を助ける、傍観者にならない心を持つことが大切です。災害時には、自助・共助・公助の3つの連携が円滑になればなるほど、災害対応力を高め、被害を最小限に抑えるとともに、早期の復旧・復興につながるものとなります。 安全・安心の社会の構築は、防災教育(共育)にあります。災害を知り、地域を知り、「災害を正しく恐れ」て、減災に取り組む人づくりの育成が重要です。つまり、「互教互学」の精神で、後世にしっかりと受け継いで行くことが我々に与えられた使命です。私は自戒し日々研鑽を重ねより一層鋭意努めて参ります。ご指導ご鞭撻賜りますようお願い申し上げます。

投稿: 危機管理アドバイザー尾下義男 | 2014.01.03 06:03

著者「震災と心の復興」の内容
この本は、被災者の方々というよりも、外部からの支援やボランティアに携わる方々、復旧・復興に携わる関係者の人たち、何もできないけれど、被災者と気持ちを共有したいと思っている人たちに対して書いたものです。もちろん被災者の方々に対しても災害アフタ-ケアしても意味のあるものと思っています。

投稿: 尾下義男 | 2013.09.26 06:45

前略
お世話になります。
現在、「防災・減災社会の構築」を主軸に講義・講演中です。

「避難所トリアージについて」
 必ず起こる南海トラフ巨大地震は、全国の死者最大32万人超に達します。この地震を前にして、大被害を免れ得ないとしたら、私たちは何にどう備えればよいのでしょうか。今回、「避難所トリアージ(フランス語で選別)」が提唱されましたが、何時、誰が、どのように行うのかという具体策が示されていません。そもそも実現性自体が疑わしい。仮に自治体に運用を委ねても、庁舎や職員に大きな被害が出て機能不全に陥ったときはどうするのか。それでも避難所の混乱を回避するためには、在宅避難のほか空き家・空き室の制度的活用という選択肢がありますが、その場合は食料・水や衛生用品などの備えが必要です。最終報告は1週間以上持ちこたえる家庭備蓄を求めています。しかし、これも掛け声倒れでは困ります。1週間の備蓄といっても、一般市民にはまだ切迫感がないのが実情です。あらかじめ用意する救援物資と考えれば、無償配布や公費による購入補助も今後検討されていいのではないでしょうか。
 最終報告はすべてを「公助」には頼れない、と読み取れます。これからの減災対策は、ハード面だけではなく、ソフト面のレジリエンス(resilience=復元力、回復力)が必要です。それは「被災した生活のリズムを、集団としていち早く取戻す能力」です。従来型の「三助の法則:自助7・共助2・公助1」は、「公助」の言訳、「共助」の自己満足、「自助」の無策でした。しかし「公助」が「自助」を支えることにもつながるはずです。災害対策は、ハードだけの公助であってはなりません。防災学習や防災を担う人材の育成に力を入れることも大切であり、こうした部分にこそ自助を育てる公助が必要ではないでしょうか。
 減災社会の構築(build a society mitigation)は、机上の空論(原理・原則)に終始せず、「百閒は一見に如かず」を再生させ、予想と実践と交互に繰り返して、その都度予想の間違いを修正しながら整合性のある理解を積み重ねて、過去の教訓を学び最新の知見等を踏まえて、防災リテラシー(災害から生命・財産を護る対策)を具体化(見える化)することです。関東大震災の「不意の地震に不断の用意」の標語は、巨大地震から90年経つ現在も色あせていません。
 私は自戒し日々研鑽を重ねより一層鋭意努めて参ります。ご指導ご鞭撻賜りますようお願い申し上げます。 尾下拝
防災危機管理研究所(所長:尾下義男)

投稿:  尾下義男 | 2013.06.16 05:23

尾下さん 真摯なコメントありがとうございました。毎日ひにち海に近い海抜0メートル地帯に暮し、働いていますと高知県庁の危機管理部の「たわごと」には腹が立つばかりです。

 自主防災会だと行っても、何の権限も資金もありません。尾下さん自助・共助・公助の割合が、7対2対1か、6対3対1かどうなのかは存じませんが、実際は、0・5対0・5対9なのです。

 いや0対0対10なんですよ。高知県の場合は。自助だ、共助だという割には県庁は情報をメディアを通したことしか提供せず、それもしらないうちに無責任な「有識者」と県の職員でつくりあげられた被害想定と災害対策の仮想現実と仮想対策にすぎません。

投稿: けんちゃん | 2013.06.04 06:48

前略
お世話になります。
危機管理アドバイザー(防災士)の尾下と申します。
現在、「防災・減災社会の構築に向けて」を主軸に講義(大学・専門学校)・講演(全国各地)活動中です。
南海トラフ巨大地震では、1週間分の食料や水の備蓄が必要とされています。災害サイクルに3という数字(3分・3時間・3日間)のフェーズで対策を呼び掛けていますが、これからの災害サイクルは7(7秒・7分・7時間・7日間)となります。一人ひとりが生き抜くためには、地域で、企業で、自治体で、巨大地震と真摯に向き合い、「事前防災」を主軸に、防災対策と防災行動力を強力に推進することが喫緊の課題ではないでしょうか。
阪神・淡路大震災以後「7(自助):2(共助):1(公助)」の法則が定着しています。しかし、東日本大震災のトリプル災害や南海トラフ巨大地震のような広域災害では、基本的に「自助」を主軸に、「6:3:1」へと転換を図リ、自助と地域の共助体制を強靭にして、災害から我が身、我が家、我が地域を守ること。そのためには、普段から良好なコミュニケーションを図り、人と人との強い絆で防災協同(協働)力を身につけることが大切です。
防災・減災対策は机上の空論(原理・原則)に終始せず、予想と実践と交互に繰り返して、その都度予想の間違いを修正しながら整合性のある理解を積み重ねて、東日本大震災の教訓を学び地震への備えと最新の知見等を踏まえて、防災リテラシー(災害から生命・財産を護る対策)を具体化(見える化)して、減災社会の構築(build a society mitigation)を推進することにあります。「不意の地震に不断の用意」の関東大震災の標語は、大地震から90年経つ現在も色あせていません。「尊厳ある生を守る」には、災害を知り、地域を知り、災害を正しく恐れて、減災に取り組む人づくりの育成が重要です。安全と安心の構築は、防災教育(共育)にあります。つまり、「互教互学」の精神で、後世にしっかりと受け継いで行くことが我々に与えられた使命であることを自戒しなければなりません。私は日々研鑽を重ねより一層鋭意努めて参ります。ご指導ご鞭撻賜りますようお願い申し上げます。 尾下拝

投稿:  尾下義男 | 2013.06.03 20:41

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