漂巽紀略展を見て来ました。
今日は雨の高知市。夜須で予定していたセーリングを早々に中止し、雑用をしていました。両親の昼食後、家内と2人で雨の中、高知市桂浜にある高知県立坂本龍馬記念館へ行きました。目的は「漂巽紀略に見る万次郎の世界展」を見に行くことでした。
漁師として嵐に会い鳥島で、ホイットニー船長に助けられ、単身米国本土に渡った万次郎。特別の計らいで現地の学校へのも通学し、勉学し見聞し、1人前になって捕鯨漁船の幹部にまでなった万次郎。琉球・薩摩を経て土佐へ帰国したのは、黒船のペリー来航の1年半前だったとか。
幕末期の欧米列強が日本に「開国」を迫るなかで、万次郎が米国社会で見聞し体験したことを土佐藩の絵師河田小龍が詳細に聞き取り、挿絵も描いて作成したのが「漂巽紀略(ひょうそん・きりゃく)」です。
今回の展示は1912年位にアメリカへ伝わり、現在はローゼンバック財団が所蔵しているものを特別展示しています。大変貴重なものです。財団は欧州にアメリカを紹介したアメリゴ・ベスビッチの「新大陸」も所有し、その著書に匹敵すると評価しています。日本にアメリカを紹介した最初の著書と高く評価しています。
その著者が坂本龍馬記念館に展示されていました。「漂巽紀略」は、漂流した、巽(東南方面)へ行かれた人の見聞録」ということのようです。展示品は劣化している部位もありましたが、河田小龍の絵が巧みで見入りました。
あまりすごいので、館内にある販売所で「漂巽紀略 大津本」(高知県立坂本龍馬記念館・2013年刊)を購入しました。1800円でした。
アメリカ社会の生活用具や、服装、交通手段、社会制度など実に細かく描かれています。展示品でしたがその本の中にボストンの建物の絵がありました。万次郎が語ったことを少龍が聞き取り、描いたものでしょう。正確に再現されているのには画力の凄さに驚きました。
「漂巽紀略」は、当時の土佐藩の吉田東洋や後藤象二郎、岩崎弥太郎、坂本龍馬などに大きな影響を与えていることがよくわかりました。またアメリカの評価にも納得しました。
「漂巽紀略に見る万次郎の世界展」は、高知県立坂本龍馬記念館で7月19日までの予定です。まだ見学されていない人は、見学されることをお奨めします。
画像は小さくしているのに、ココログ側の事情(原因不明)で、掲載することができません。当面は文字だけです。
坂本竜馬記念館の説明で画像は見てください。http://www.ryoma-kinenkan.jp/see/plan/post-18.php
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