« 窪川・中村巡業をしました。 | トップページ | 認知症800万人時代を生きる »

2013.12.10

日本国民が眠りこけている間に、政府がテロを行いました

Kimituhiogohouannkizi


 2013年12月6日という日を忘れてはいけません。多数の国民が疑念を表し、反対を表明した「特定秘密法案」が参議院で自民・公明両党の賛成多数で強行採決された日です。

 まさに「政府によるテロ」が行われた日です。国民各位はそれぞれが可能な方法で廃案に追い込みましょう。

 以前わたしは「日本国民は権利の上に眠る民である」とか「特定秘密法案強行採決は政府によるテロ」だと発言してきました。根拠は丸山真男氏の「日本の思想」や、カール・マスクスの「ブリュメールの18日」という評論でした。

 今一度丸山真男氏の著作「日本の思想」のなかにある「である ことと すること」の項目にある表題「権利の上に眠る者」を引用してみます。

 長記述の引用となりますが、的確に掻かれています。

  
(引用はじめ)

「権利の上に眠る者」

 学生時代に末弘厳太郎先生から民法の講義を聴いたとき、「時効」という制度について次のように説明されたのを覚えています。

 金を借りて催促されないことをいことにして、ネコババを決め込む不心得者が得をして、気の弱い善人の貸し手が結局損をすると言う結果になるのはずいぶん不人情な話のように思われるけれども、この規定の根拠には、権利の上に長く眠っている者は民法の保護に値しないという趣旨も含まれている、というお話だったのです。

 この説明に私はなるほどだと思うと同時に、「権利の上に眠る者」という言葉が妙に強く印象に残りました。今考えてみると、請求する行為によって時効を中断しない限り、単に自分は債権者であるという位置に安住していると、ついには債権を喪失するというロジックの中には、一民法の法理にとどまらない極めて重大な意味が潜んでいるように思われます。

 例えば、日本国憲法の第12条を開いてみましょう。そこには「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によってこれを保持しなければならない。」と記されてあります。


 この規定は基本的人権が「人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果」であるという憲法97条の宣言と対応しておりまして、自由獲得の歴史的なプロセスを、いわば将来に向かって投射したものだと言えるのですが、そこに先ほどの「時効」について見たものと著しく共通する精神を読み取ることは、それほど無理でも困難でもないでしょう。

 つまり、この憲法の規定を若干読み替えてみますと、「国民は今や主権者になった、しかし主権者であることに安住して、その権利の行使を怠っていると、ある朝目覚めてみると、もはや主権者でなくなっているといった事態が起きるぞ。」という警告になっているわけです。

 これは大げさな威嚇でもなければ、空疎な説教でもありません。それこそナポレオン三世のクーデターからヒトラーの権力掌握に至るまで、最近百年の西欧民主主義の血塗られた道程が指し示して歴史的教訓にほかならないのです。
 アメリカのある社会学者が「自由を祝福することは易しい。それに比べて自由を擁護することは困難である。」と言っておりますが、ここにも根本的に同じ発想があるのです。

 私たちの社会が自由だ自由だと言って、自由であることを祝福している間に、いつのまにかその自由の実質は空っぽになっていないともかぎらない。自由は置物のようにそこにあるのではなく、現実の行使によってだけ守られる、言い換えれば日々自由になろうとすることによって、初めて自由でありうるということなのです。

 その意味では、近代社会の自由とか権利とかいうものは、どうやら、生活の惰性を好む者、毎日の生活さえなんとか安全に過ごせたら、物事の判断などは人に預けてもいいと思っている人、あるいはアームチェアから立ち上がるよりもそれに深々と寄りかかっていたい気性の持ち主などにとっては、甚だもって荷厄介な代物だと言えましょう。」

 引用終わり 「丸山真男・著・日本の思想」(1961年11月刊)

 政治学者丸山真男氏は、52年前に2013年12月6日の「政府によるテロ」を予言していました。今更ながら凄い洞察力であるなと感心しました。

 この「日本の思想」(岩波新書)は2度ほど読みました。探しましが例によって散らかり放題のわたしの事務所なので蔵書がどこへ行ったのか不明です。息子か娘の高校時代の教科書「精選 現代文」(東京書籍 平成10年刊)の102P「であることと すること」から引用させていただきました。

 まさに現在日本の状況は52年前に丸山真男氏が予言したとうりになりました。各地で特定秘密法案の反対運動が起きていますが、まだまだか細く、大多数の国民各位は惰眠をむさぼっています。

 次は「集団的自衛権の行使による国際貢献」(自衛隊の海外派兵)、「武器輸出3原則の廃棄・武器の輸出の促進」、「原発再稼働・原発輸出」「日本国憲法第9条の改正」と矢継ぎ早に国会で同じ手口で強行採決を政府・与党はやってくることでしょう。

 とは言え、わたしと言えば「300M四方の町内から出られない身の上」です。なんか一撃で事態をひっくり返す、テロを繰り返す安倍政権を打倒する「面白おかしい」ことはないものでしょうか?

 「面白くないやりかた」でいくら叫んでも事態は変わりません。多数の国民が街頭へ繰り出し、各地の自民党事務所へ押しかけ、国会へ請願して衆議院を解散し,安倍政権を退陣させ廃案に持ち込まない限り、安倍政権のクーデターは成功したということになり、日本国は「いつか来た道」の滅びの道へ行くことでしょう。

Abeikumimm2


|

« 窪川・中村巡業をしました。 | トップページ | 認知症800万人時代を生きる »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 日本国民が眠りこけている間に、政府がテロを行いました:

« 窪川・中村巡業をしました。 | トップページ | 認知症800万人時代を生きる »