「かぐや姫の物語 姫の犯した罪と罰」を鑑賞しました
「夜だったら映画に行けるね。」と家内が言います。2014年1月3日は両親の夕食を済ませ、母のオムツを装着し、先に寝かしつけてから、普段は絶対にいくことはない大嫌いなイオン・モールへ行きました。「かぐや姫の物語 姫の犯した罪と罰」(高畑勲・監督作)を見に行きました。
http://kaguyahime-monogatari.jp/ (かぐや姫ジブリ 公式サイト)
シネコンとか称して文化産業の映画館まで商業資本があこぎに取り込む世の中って嫌ですね。「やかましい人工の安っぽいプラスチック空間」へ行くと気分が悪くなりますから。環境保護でレジ袋代としてジャスコは5円取るそうですが、それなら化石燃料の車ではなく、歩きや自転車やバスで来た顧客を優遇すればいいのに。
閉ざされたプラスチック空間で空調をがんがん回転させて何が環境に優しいのか?おかしな倒錯ではないか。
ユニクロというカジュアルの安物衣料店でGパンを購入することに。映画までの時間つぶしです。結局2着買いました。安物のアンダーウエア―もです。21時30分上映開始で終わるのが24時ですから。早寝早起きの私にはちとつらいが、正月ですからね。
夜も遅いと言うのに人工空間には人が溢れていました。イオンは高知県の低額所得者から思いきり収奪する街こわしスーパーです。
イオンへの悪態はそれまでとして、肝心の映画の感想。
「・・・・・・・・・」としか言えません。同じジブリアニメの「風立ちぬ」もこちらのシネコンで見ました。あれは宮崎駿氏の自己幻想の映画でした。映像は手間暇かけて美しいものでしたが、錯乱した状態を延々と見せられ気分はよろしくなかった。
高畑勲氏も14年ぶりの制作とか。2時間半の長丁場でしたが、退屈せずに鑑賞できました。制作に8年、50億円の製作費。省略画法を使ったと高畑氏は言っていましたが、なかなかどうして膨大な手間暇がかかっていますね。
「日本人は最古の漫画が作者不詳の鳥獣戯画と言われています。動物が動いていて活力が絵から溢れています。日本人はアニメ向きなんですね。」とか。
背景などは従来のジブリ作品のように詳細に描かれてはいません。省略気味。しかし樹木や草花の美しさは日本画のタッチで描かれ、違和感がありません。美術は男鹿和雄氏が担当されていて場面全体が美しい。
竹取物語は日本最古の物語と言われていますが、不思議な話です。山奥に住む竹取の爺さんと婆さんが2人で住んでいました。ある時爺さんは竹やぶで光る竹を見つけました。伐採しますとそこから小さな手のひらに入る高貴な人形のような美しい子供が出て来ました。
爺様は大事に家に持ち帰り、婆さんと一緒に大事に育てました。小さな女の子はタケノコのように急成長し、近所の木工細工をしている一家と親しくなり、子供同時で無邪気に遊んでいました。
ある時爺さんが竹やぶで光り輝く竹を見つけました。その竹を伐採するとそのからは無数の黄金が出て来ました。高貴な女性用の着物もです。持ち帰った爺さんは婆さんに、「これは天のおぼしめし。この子を高貴な人間に育てろというおつげなのだ。」と話し、山村をでて京の都に上り、その黄金で大きな屋敷を購入、にわか貴族となりました。
やがて娘も都へ出て、高貴な娘となるための教育を施されていきます。無尽蔵の「工作資金」をもっている爺さんは、娘の売り出しのために、文化人を接待し、「かぐや姫」(光り輝く美しい姫)の名称を得ることが出来ました。
かぐや姫の評判は都を駆け巡り、多数の適齢期の男どもが屋敷前に集まるようになり、ついには、5人の貴族(大納言や中納言、右大臣など)に絞られるようになりました。
そこで求婚する男どもの自慢話(たとえ話)を逆手に取りかぐや姫は無理難題を言いつけます。見たこともない輝く宝石だらけの樹木や、龍の球であるとか、ツバメの巣の卵であるとか、燃えない高貴の布であるとか。この世のものとは思えない法外な要求に退けられます。
5人の貴族は命を落としたり、破産したりしました。可哀想でした。このことが「かくや姫の罪」なんでしょうか?
遂にはミカド(天皇)までが興味を持ち、かぐや姫を迎えにお忍びで屋敷へ来るようになりました。ことここにいたり、かくや姫は、月から来たものであることを告白。15夜に月からのお迎えが来ても戻らなくてはならないと言います。
必死にかぐや姫も、爺さんも婆さんも月のお迎え者に懇願しますが、結局連れされれていきます。
不思議な物語です。古い日本で月からの使者が来る。月から地球へ送り込まれる。最古のSFではないかとの説もありました。かぐや姫がなんの罪を犯して地球へやってきて、また何故に月へ送還されなければいけないのか、よくわかりませんでした。よくわからないのが「竹取物語」なんでしょうか?
地球へ追放されたかぐや姫を不憫に思った母親が、こっそり「仕送り」したのが黄金であり、高貴な着物であったのか?翁はそのことを勘違いし、天のおぼしめしで成金貴族となり、かぐや姫を高貴な身分の姫とするべく莫大な投資をしました。
かぐや姫は連れ去られましたが、残された老夫婦はその後どうなってしまったんでしょうか?貴族で余生を送ったのか?それとも山の竹取の暮らしに戻ったのか。不明ですね。
ただこの映画、宮崎駿氏の「風立ちぬ」もそうでしたが、子供向けの映画ではありません。悪くはないとは思いますが、今後のジブリの行く末が正直心配ですね。
業界は違いますが、ジャンクフードの超大手のマクドナルドが日本から撤退するのではないかとの噂もありますね。それは高級志向やいろいろな施策が、家族離れを生みだし、マクドナルドの味が子供の浸透せず、若い人の来店が落ち込み、顧客層の年齢が上がったとかとも言われていますが・・
でも近所にあるマクドナルドは老いも若きも来店して相変わらず賑わってはいますが・・。
「いつまでも子供相手のアニメやファンタジーなんてやってられんよ」と言うのが、宮崎駿氏の「引退」の理由のようでした。昨年ご逝去されたやなせたかしさんは亡くなるまで「アンパンマン」にこだわり、アンパンマンを描きつづけました。どちらが正しのかはわかりません。
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