モノが売れないときに物を売る秘訣とは
久しぶりに藤村正宏さんのメールマガジンが来ておりました。引用自由とありましたので、転載させていただきました。それなりに面白いことを言ってますね。
高知市などの地方都市は、一等地の中心街でもビルに空き室が増え、屋上の看板も「空白」(広告主不在)が目立っています。景気回復の波は高知市には届いていません。
■100円ショップは体験価値消費
ずいぶん昔の話です。
今から20年くらい前ですが、アメリカの会社の役員をしていました。
アリゾナ州ツーソンに本社がある、水族館や動物園、テーマパークなどの企画、設計、施工をする会社です。
その日本法人の、企画担当の役員だったんです。
ボクもまだ若くて、30代でした。
その時に、アメリカ本社のデザイナーに聞いた話しです。
ボクは当時、岐阜県の「アクアトトぎふ」のプロジェクトの真っ最中。
その水族館の展示の打ち合わせを、アリゾナの事務所でしていました。
その時に、入館料に話題になったんです。
水族館の入館料をどれくらいにしたらいいか?
それに困っているということを、デザイナーに言いました。
そうすると、彼はボクに、こう聞いてきたんです。
「日本では映画のロードショーの入場料はいくらくらいするんだ?」
ボクは答えました。
「1500円から2000円の間くらい」
「映画が2時間で2000円だとしたら、水族館を楽しむ時間が2時間だったら、それと同じにしたらいい」
なるほど。
ボクは納得しました。
映画ってだいたい2時間くらいで今だと1800円。
もし水族館の平均滞留時間が2時間だとしたら、映画と同じくらいの入館料をいただけばいい。
そうういうこと。
アメリカでは、水族館や博物館、動物園、テーマパークなどの入場料は、映画との比較で決めている(らしい)。
でも、それってある意味、理にかなっていると思ったわけです。
時間を消費する集客施設は、そういう考えかたもできますよね。
どうして20年くらい前のそんな話しを思い出したかというとね。
先日、100円ショップ「ダイソー」の社長さんの話をwebサイトで見たからなんです。
矢野社長「ダイソーの平均滞留時間は、30分。客単価は500円です。ダイソーは100円の商品を売っているのではなく、この『時間』を売っているのです」
これには、ハゲシク共感しました。
店の中にいる時間を売っている。
まさにモノを売っているのではありません。
(ボクの本にも100円ショップのことは書いていますけど)
確かに100円ショップって、いるだけで楽しいですよね。
一度いったら、30分くらい過ごしてしまうかもしれない。
何の目的もなく入店しても、
「え?こんなのが100円で買えるの?」
「これを使ったら、こんな生活ができるかもな~」
「こんな商品があった~」
と、見ているだけでも楽しいですよね。
そして、あまり必要ないんだけどノートとか文具とかを買ってしまったり。
ある意味、ボクが提唱している、エクスマ(エクスぺリエンス・マーケティング)。
「モノ」ではなく「体験」を売っているショップだとも言えます。
ダイソーは500円で30分楽しめるとしたら、それはある意味、映画と比較すると納得がいく。
映画が2時間で2000円だとしたら。
それで、昔きいたコトを思い出したんです。
店舗の空間や商品の持っている物語、その商品を買うと、自分がどういう体験ができるのか?
そういうコトを売っている。
やっぱり、現代は「モノ」を売っていたら売れない時代なんですね。
エクスぺリエンス・マーケティングの真価が発揮される時代になったってことです。
高知の大衆金融センタービルも最近では空室が目立ちます。
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