栄養バランスに配慮した保存食材を試食しました。
2014年7月31日は、罹災時に調理の際に水を殆ど使用せず鹿肉、清潔で、栄養バランスのとれた食材を、100%高知県産の食材を使用して、開発された人たちがいました。
5月頃地元市議会議員の高木妙さんのご紹介で面談しました。高知大学大学院農学専攻修士課程小林智子さんでした。
「災害罹災地では、食材の支援も行われますが、どうしても野菜類が不足し、栄養バランスが取れないために、体調を崩される人たちも多いと聞いています。多くの支援で炊き出しが始めると罹災者の皆様は元気になりますが、その炊き出しのレベルも一定ではなくばらつきがあります。」
「最初から災害を想定し、栄養バランスのとれた食材をフリーズ・ドライ方式で製造し、二葉町自主防災会や下知減災連絡会の関係者の皆さんに試食していただき、感想を聞かせていただきたい。」との熱い思いを傾聴しました。
その後メールで小林さんとやりとりをしました。大学関係者で議論し、試食したとの経過報告も聞いていました。何回かのやり取りの中で、食材は100%高知県産のものを使用し、害獣である鹿肉を使用した保存食を開発されているとのことでした。
そして7月31日は、下知減災連絡会と二葉町自主防災会の会長である森宏さんの調理場をお借りして、模擬炊き出し方式で食材を温めました。
(下知コミュニティ・センター屋上にもLPガスユニットはあります。今回は試食がメインですので、森会長の厨房でお湯を沸かしていただきました。
お米はポリエチレンの袋を2重にしお米を2合入れ、水も2合入れ、口を手で縛ります。沸騰したお鍋に水を入れ、袋を入れて20分つけておきます。20分経過したら鍋から上げて10分間置きます。蒸らし工程のようです。
今回は「鹿肉カレー」でした。小林さんによれば、食材は高知県産のナス、ニンジン、ジャガイモ、玉ねぎがたっぷり入っています。鹿肉の臭みを取るために生姜を使用したり、砂糖や醤油も使用しました。とのことでした。
食材を一旦冷凍し、乾燥させるという「フリーズ・ドライ方式」でカレーを加工されたようです。3人前約150gが、袋に入れられ、真空包装されています。1年間は常温で大丈夫という事です。
カレーは沸騰したお湯に袋を切って、入れてかき混ぜます。とても簡単です。
試食はコミュニティ・センターに場所を変えて行いました。ご飯を袋から取り出して、そのままお皿に盛りつけます。カレーは鍋からご飯の入っているお皿にかけます。そして関係者で試食してみました。
「鹿肉の臭みは感じません。栄養バランスが取れた良い食材であると思う。」
「カレーと言われますと味付けが甘いかなとも思います。」
「鹿肉もミンチ状になっていて言われないとわかりません。むしろ栄養価が高いがローカロリーでヘルシーな食材であつことを強調したほうが良いと思う。」
「普段はカレーは食べないほうですが、率直に美味しいと思う。」
「今回ご飯が少し硬めだったので、きちんと炊飯できれば美味しく食べれたと思う。」
おかわりする人も出てつくられたカレーは完食しました。
一方開発者の小林さんも悩みがありました。
「高知県下の食品製造業者をあたりましたが、フリーズドライができる機械を持っている企業がないようです。今回は試験機で製造してみましたが、12人前をこしらえるのが精一杯です。
何百人分となると大型のフリーズドライ製造機が必要です。高知県下に持っている事業者がいないことが残念です。」
「今回の真空包装で1年。缶詰にすれば5年は大丈夫です。」
大変良い構想であると思いました。実際に鹿肉カレー食べました。美味しかったです。野菜がたっぷり入っていますので、栄養バランスが取れた食材であると思います。
昨年下知減災連絡会と下知コミュニティ・センター防災部会と合同で、昨年11月24日に防災炊き出し訓練でカレー・ライスを皆でこしらえました。調理室のない部屋で10数人で野菜の皮をむき、細かく切りました。ガス釜でご飯も炊きました。
あの大変さがわかっているだけに、清潔な環境で調理済の栄養バランスの取れたフリーズドライでこしらえる常温で長期間保存できる食材が出来たら、防災対策でも心強い限りです。
実現するためには多くの障害物があるでしょうが、なんとか実用化していただきたいと真底思いました。
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