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2014.07.10

井沢元彦氏講演会を聴講しました。


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 一応高知市役所の物品納入業者なので、2014年7月9日は、県民文化ホールdで開催されました「部落差別をなくする運動強調旬間」講演会(高知市・高知市教育委員会主催)に行きました。

 井沢元彦氏の演題は「歴史から見た差別」です。
本来なら満席になるのでしょうが、台風8号の接近や悪天候もあり、7割がたの入りで約300人の市民が聴講していました。わたしも本来なら自転車で行きますが、土佐電鉄の路面電車で往復しました。

 「かつてアメリカでは人種差別が今より露骨にありました。アフリカから奴隷として連れてこられた人たちは南部の農場で働かされていました。より大きな市場経済をこしらえようと言う工場資本を背景にした北部と南北戦争をします。

 南北戦争の結果、奴隷としての黒人は解放されましたが、根強い差別は未だにあります。」スポーツの世界でも野球やバスケットボールで門戸が広がりました。でも未だに五輪に出る黒人選手は水泳ではアメリカでは出て来ません。

 ではなぜ差別をするのか?それは宗教と密接に絡んでいます。」

 「西洋史の差別の話をします。欧州で何故ユダヤ人が差別され続けたと言いますと、ローマ帝国時代植民地であったパレスチナにイスラエル王国がありました。

 ユダヤの民衆がキリストを邪教だから処刑しろと騒ぎます。ローマの統治官はそれほどのことは必要ないので言います。しかしユダヤの民衆は「犯罪者を処刑しろ。その血はわれわれだけでなく、我々の子孫も浴びるだろう」と言い騒ぎ立てました。

 やむなくローマの統治官はキリストを処刑しました。後にキリスト教徒たちの神であるキリストに対する冒涜として聖書にまで、ユダヤ人のその発言は記述されました。」

 やがてイスラエル王国は滅亡し、ローマ帝国はユダヤ人がパレスチナに留まることを禁止します。国亡き流浪の民となりました。後にローマ帝国の国教にキリスト教がなり、ローマ帝国が解体して欧州諸国が形成されますが、宗教は流派はあれどキリスト教でした。

 時代は下りヒトラーがナチスの政策の時にユダヤ人を撲滅する「ホロコースト]を政策でしましたが、キリスト教は傍観していたのは宗教的な理由からでした。」

 井沢氏は日本人は宗教はこれほど明文化したもの(キリスト教・イスラム教など)を信仰していませんが、「神道」の感覚は無意識的に刷り込まれていると言われます。

 「それは「穢」(けがれ)の感覚です。死をもっとも穢れの対象とみなし、忌み嫌いました。それが日本の差別意識の根源です。

 汚れ。汚染は数値化でき、科学的に証明できます。PM2・5であり、放射能であっても数値化できるので、防止対策も化学的に可能です。

 穢れは「宗教的な」(神道)ですので、数値化できないものです。古代の日本人は穢れを不幸の源と考えていました。清流に浸かれば禊(みそぎ)が出来ると思っていました。

 死を取り扱う葬儀は、神道では扱えないので、外国伝来宗教である仏教におまかせしたが、動物の殺傷して皮を剥いで武具にしたりする職業の人達は、大事な仕事であるにに穢れた存在として差別されてきました。
 
 墨を固める膠(にかわ)は、動物の油です。墨は天皇家から官吏などの支配階級から庶民まで利用した大事な文化素材でした。でも正しく理解されず、にかわを生産している人たちは、川の対岸に強制的に住まわされ、その川には橋が架けられていませんでした。」

「西洋の皮製品のブランドは、グッチやルイ・ビトン、フォルガモなどがあります。日本には育ってきませんでした。それは穢れという宗教的な偏見があったからです。」

「穢れは迷信であり、なんの根拠もありません。科学的に説明できないものは迷信です。きちんと歴史を正しく学ぶことが、差別のない社会をつくることになるのです。」

 なかなかわかりやすい話でした。
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