「阿部物語」は凄すぎますね
日本の現首相の「安倍」は常に民意を踏みじにるファスト宰相ですから「問題外」ですね。「あべ」でも、徳島県美波町阿部地区は、素晴らしい自主防災会活動をされています。
2014年の7月30日に開催されました徳島県美波町自主防災会連合会と下知減災連絡会(二葉町自主防災会)の意見交換会の後に、阿部自主防災会のリーダーである瀬戸興宣さんに「阿部物語」をいただきました。
「表題には 防災オリジナルプラン 阿部物語 -地震の後には津波が来るー 徳島県美波町阿部地区 阿部自主防災会」とあります。
表紙の写真は海へ繰り出す神輿です。海は恵みの場でもあり、時に津波が襲うところでもあるということがわかりました。
驚いたことに阿部地区が自主防災会を立ち上げたのは平成24年1月1日です。歴史は浅いが、この「阿部物語」を読みますと凄いことを手早く行い、津波対策をやりきっています。
「行政を頼らず自分で避難路をこしらえた」こと。なにせ阿部地区は南海トラフ巨大地震が発生した場合、震源地が近いので、津波襲来までわずか12分しかありません。
「当地は自然災害の少ない所は、永年津波には縁のない所との認識で、何の対策もしていなかったこと。全国にさきがけて徳島県が出した南海トラフの巨大地震では起きる津波の暫定浸水予測では、阿部港が最大20・2mと県下最大との発表があり、晴天の霹靂、まさに全国最悪の地のような意識があった。」
ここまでは良くある話。ここからの考え方と行動が違いますね。
「過去の津波対策が何もないことが幸いしてか、今回独自に考えたことがすんなり住民に受け入れられれ、住民のほぼ全員の津波認識が統一出来た。千年に一度の津波があるなら、昭和南海地震程度の経験は寧ろ「その程度か?」になり防災活動の足並みを乱す要因となりかねない。」
「すべての事業は自主防災会がリードして表に立ち、交渉時も住民側の事業として行う為に、地権者への補償金問題もスムーズに行える。行政に事業を丸投げすることなく、その事業に協賛し資金の紹介や事務手続き、材料の提供等を担当してもらい、共同作戦が効果的である。特筆するなら地権者にも有利な組み立てがポイントと言える。」
「積極的にモデル事業を引き受け、徳島県、美波町の防災事業を当地で展開する形式をとり、県や町の予算を活用している。県関係でも各分野で防災予算があるので津波減災、道路、地滑り、林務、保健福祉等の繋がりも町役場防災担当者を窓口に活用する。他地域のサンプルとして事業の展開は事業が優先され、次々に話が入ってくる。」
「一番高い津波は全国最悪イメージではあるが、1番だからメディアが対応してきたので、2番ならこのようにはならなかったと言える。やるなら特異な活動をすべきである。
頻繁にマスメディアが地域に入ることで、人間関係も一段と進み、防災以外でも地域の情報発信ができた。二次的にこれらの情報を見た関係者から、次の事業がまた持ち込まれ、次から次へと事業が膨らんで行った。」
長々と引用しましたが、行政事業の「さきがけ地域」の役目を果たしながら、地域のコミュニティづくりもうまくやっていますね。
高知市二葉町の場合は、行政側の対応は極めて鈍くて、ぬるい。特に「仁淀川町と二葉町との交流事業」などは先駆的な事業であると思われるが、なぜか高知市も高知県庁も「とても冷淡」ですね。「見て見ぬふりを」していますから。そのあたりは安倍地区自主防災課は上手ですね。
参考 「仁淀川町と二葉町の交流事業」
http://futaba-bousai.cocolog-nifty.com/blog/cat43975382/index.html
後は自主防災会の組織はフラットで、皆が地域のリーダーになっていますね。「地域活動にさほど協力的ではない」人を、「率先避難者」(1番先に逃げる人)に指名し、「それなりに役割を果たしてもらう」ようにすることは上手です。
防災用品や食料備蓄にも独自のノウハウでやっているようです。
*各家庭の不用品で防災用品に転用できるものは、譲り受ける。
*スポンサーを見つけ協力をいただく。住民負担はかけない。
*お米や燃料も防災倉庫で預かり管理する。備蓄になる。
*あつまらないもののみ、自前で購入する。
面白い発想は以下の表現に現れていますね。
「悲観的な事業であるが、楽観的に楽しみながら事業を進め、事が起きなければこれは幸いしたたことはないと考える。」
「想定外のことが次から次へと起きる昨今,どこにいても安全な地域はないと言っても過言ではないが、一度事が起こっても安心して対応が出来る地域づくりは出来る。」
「防災事業で地域の活性化も夢ではないことを実証する。」
阿部地区自主防災会の発想や実践に学ぶべき点は多いですね。じっくりとお話する時間がなくて残念です。
徳島県の津波災害警戒区域指定の取り組みには注目です。
http://futaba-bousai.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-a9ed.html
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