「図書館が街を創る」
「図書館が街を創る」という表題に魅かれて、サニー会主催の講演会へ聴講に行きました。佐賀県武雄市の図書館が民間企業に業務委託され、話題になっているという記事は以前日本経済新聞で読んだことがありました。
講師の高橋聡氏は、CCCデザインカンパニーの執行役員。武雄市のユニークな図書館のプロジェクト・リーダーの人でした。講演中は写真撮影が禁止ということで、講演前の写真しか会場写真は撮れませんでした。
武雄市は人口が51000人、17000世帯の地方都市。博多から1時間ほどのところにあります。良質な温泉があり、自然に恵まれた地方都市です。
始まりは武雄市長の樋渡啓祐氏が、東京代官山の蔦屋書店を訪問したところにあったそうです。高橋氏は樋渡市長の店内の案内役を務め、そのことが武雄市長の「図書館を中心とした市民生活の提案」構想の具現化のプロジェクト・リーダーを務める縁となりました。
市長が提案したものの市議会での反対意見もありましたが、議会を賛成多数で乗り切り、武雄市民図書館をCCCが委託管理する方式でやることが承諾されました。それからが大変だったそうで、内装工事からやりかえるため、蔵書をすべて段ボールに入れ、近くの市民体育館に保管し整理する作業も並行してやったそうです。
1番の特色はカフェコーナーに、スターバックス・コーヒーを入れたこと。書店を併設し、書籍の販売を行ったことでした。オープン後の図書館の来客数は2・5倍となり、1日平均平日は1200人、土日は3000人、連休には7000人が来る人気スポットになりました。
Tカードでも本の貸し出しが出来るようになり、本の貸し出しや返却は機械で自動でやれるようにしたそうです。自動でやればTカードに3ポイントつくので8割の利用者がそうしたしうです。結果80%の顧客満足度を獲得したようです。
アンケートや聞き取り調査を常に行いCCCはやっているとか。
「よくある市の委員会などは20人程度の市民のワーク・ショップで物事が決められる。大多数のサイレント。マジョリティは無視されている。CCCはカフェなどを通じてリアルなコミュニケーションで意見を聴収し業務の改善に努めています。」
「学ぶ姿が絵になる図書館にしたい。」
「地方都市の欠点はイベントが少ないこと。この図書館では、地域にゆかりのある有名人や作家に来てもらいトークしてもらいこともしている。里帰りのついでにノーギャラで来てもらい、そのかわり著作本を販売し、サイン会も行う条件で。市民も本物に触れあい文化水準が上がると確信します。」
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