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2014.09.08

「沸騰!図書館」を読んで


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 「沸騰!図書館 100万人が訪れた驚きのハコモノ」(樋渡啓祐・著・角川書店・2014年刊)を、8月27日のサニー会の研修会(図書館が街を創る 講師CCC・高橋聡氏)を聴講直後会場にて購入しました。

 樋渡市長は結構ユニークな人で、図書館改編の前には、大赤字続きの市民病院を民間委託したり、結構人口5万人の地方都市で改革市政をやっていたようです。ブログやツイッターなどでも積極的に発言し、「炎上」も1度は2度ではないようです。

 一読して武雄図書館は運営をCCCに委託して85%は成功したのではないかと思います。なにより以前の図書館の職員や司書が全員新しい図書館で仕事していることも大きい。自動貸し出し・返却機能の機会で業務をしているので、「おすすめ図書」など図書館司書としての本来の役割を果たせるようになったようですね。

 「わたしも一般職の公務員だったからよくわかるのですが、公務員はともすれば「できない理由」を考えがちです。しかし、まちづくりは「できる理由」を考えないと必ず失敗します。これからは私と一緒に出来る理由を考えて行きましょう。」(P34)など前向きな市長さんですね。

 樋渡市長は東京代官山にある蔦屋書店を訪問見学し、CCCの増田市長に面談し、武雄図書館の改装と委託管理を即決で依頼したようです。CCC側も「図書館と病院をこれからの地方サービスとしてやってみたい。」とのことでした。
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 一昔前高知県立病院と高知市民病院が統合してPFI方式で高知医療センターが鳴り物入りで発足したものの、結局PFI方式は破たんしてしまいました。これからまた県立図書館と市民図書館が合築図書館として、廃校になった高知市追手前小学校跡に建設中。

 中の橋商店街が、「まちづくり」を意識してなのか「図書館通り」とか名前を替えました。果たして高知市中心部にできる合築図書館が、武雄市のような1年間に100万人も来館する集客装置になるかどうかは現時点では不明ですね。

 市議会との議論の様子や、改築反対派との議論の様子も樋渡市長側からの見解は詳しく記述されていて、なるほどと思うところもありました。政治姿勢は「リベラルもどきが大嫌い」です。

「日本でリベラルと目されている政治家の多くは、大きな政府を支持する割に増税にも否定的だ。とある政党など、防衛省の予算を大幅に削減できれば実現できる、と本気で言い張っている。そうでない政党・政治家も、空理空論を振り回す割に増税となると支持者が減るから、と言う理由で消極的になる。

 (中略) 僕はこういう無責任極まりないリベラルもどきが大嫌いなのだ。」(P204)

 1年365日無休で、午前9時から晩の21時まで開館している武雄図書館。見学して見たくなりましたね。
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