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2014.10.02

女性の視点=生活者の視点を災害対策に生かす

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 2014年9月17日に、高知市下知コミュニティ・センターにて「女性の視点を災害対策に生かす」という講演会が開催されました。講師は「高知市女性の視点による南海地震対策検討委員会」の北村真由美さん(地域保健課・保健師)と明神宏美さん(保育幼稚園課栄養士)です。

 事前に下知コミュニティセンターを7月30日に視察いただき、下知減災連絡会の女性メンバーとも意見交換していただきました。

 http://futaba-bousai.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/post-ba5c.html


今回は「女性の視点を災害対策に生かす」というPRが効きました。聴講者の大半が女性でした。逆に下知減災連絡会のオヤジメンバーが遠慮してか姿が見えません。女性の視点というのは「生活者の視点」でもあります。世代、性別を超えてみんなで聴講する内容の講演会でした。そのあたりは少し残念です。

 まず北村真由美さんからは、「家庭生活の中で女性は家事や、育児、介護などを主体的に担っています。女性のためにというよりは、生活者の視点からの防災対策が必要です。」
 北村さんは2011年3月11日の東日本大震災の直後に、保健活動支援にて宮城県南三陸町へ3月23日から30日まで行かれました。現地で撮影された写真もご披露されながら「避難所開設」「避難所運営」「事前の備え」などの項目をわかりやすく説明されました。
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 広い体育館に大勢の避難してきた人たちが詰め込まれ、個人的な事情に配慮されない避難所であると大きなストレスを生むことを話されました。具体的には、
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「寒い時期でしたが暖房も十分ではなく、体調を崩される人が続出した。」

「知らない異性が隣で寝ていることにストレスを感じる女性が多くおられました。」

「避難所の中での女性への配慮が足りないところもありました。着替える場所や、洗濯物干し場も男女別々に配慮する必要がある。」

「トイレも男女別々に離して設置する必要があります。」

「震災後のストレスから、DV(暴力)も平常時の数倍あるやに言われています。異性の避難所管理者に相談しにくいこともあるので、女性メンバーでの避難所運営も必要です。」

「高齢者や女性、乳幼児や障害者に対する配慮は、運営当初から意識した対応をしないとなかなか混乱時には行き届きません。」身体機能の衰えている人にはトイレへの移動は大変でした。
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「また避難所開設時には、罹災者の名簿を作成し、避難所に安否情報を掲示したります。夫からDVを受けている女性が見つけ出され被害を受けることもありました。名簿の公開の有無と取り扱いは細心の注意が必要です。」

 現地ならではの情報があり、罹災者名簿の取り扱いまでの配慮の視点は正直気が付きませんでした。また災害直後では、行政職員もすぐに動けないため避難所も住民で運営されていたようで、3日後に避難所に到着したものの、何をしていいかわからず(特に防災訓練や担当をしていないので)わからなかったとのことでした。

 それゆえ避難所のルール作りや運営には女性、高齢者、子供、若者、障害者の人達のご意見を取り入れるものでなければならないとのご指摘もありました。普段の地域防災会での会合や運営、訓練も同様の考え方の実践が必要であると思いました。

 また避難所での感染症の予防のために消毒剤などの配備が必要であるとのご指摘がありました。ADL(生活機能)が低下されている人への配慮として、ポータボルトイレを活用することも必要との指摘もありました。
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 明神宏美さんからは、避難所暮らしが長くなると栄養バランスが崩れると言う人が多くなるとのご指摘がありました。避難所暮らしの3週間後の神戸市(1995年阪神大震災直後)と、気仙沼市(2011年東日本大震災直後)の食事供給におきましても、炭水化物が多く、栄養バランスが崩れた食事状況でした。

「菓子パンとおにぎりが主体でビタミン・ミネラルがとれていません。野菜類が避難所生活では食べられませんので、栄養バランスが崩れ、健康維持が難しくなり、身体機能の維持が難しくなります。」
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「南海トラフ巨大地震は、広域に被害が出るでしょう。救援や支援物資がすぐに届けられるかどうかわかりません。また高知市下知地域のように長期浸水する地域では尚更、食料や水の個人の備蓄は必要です。」

「栄養バランスの比率は、主食(米・パン・など)が3で、主菜(肉・魚)が1で、副菜(野菜など)が2です。牛乳や乳製品も副菜に含まれます。」
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「避難所で支給される食料で栄養バランスをとることは難しいです。そこで各家庭での備蓄が必要です。果物缶詰(特にミカンはビタミンが多い)、野菜ジュース、サプリメント(栄養補助食品)、スポーツ飲料(脱水対策)、調味料が必要です。」

「避難所の備蓄品では全く足りないことを自覚してください。各家庭で3日分の食糧と水は備蓄し、乳幼児や高齢者のおられる家庭はより多く備蓄してください。」
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 また薬を服用している人は「くすり手帳」や健康保険書などのコピー。介護認定を受けている人はその症状を記述する必要があります。」

 最後に北村さんの方から総括的なお話もありました。

「普段から地域の多様な人たちも参加されて防災活動や訓練がされるべきです。下知では11月に避難所開設訓練や宿泊訓練がされると聞きました。

 その機会を利用してご自分のご家庭の食料や非常持ち出し品の点検や、備蓄の見直し、避難所のありかた運営についての点検をしてください。」

「日ごろからのご近所付き合いも必要です。遠くの親戚よりご近所の人が頼りになります。また地域に看護士さんや調理師さんがおられることがわかれば、行政の支援が本格化する前に早期の対策も可能になります。」と言われました。

 二葉町自主防災会では、昨年11月から今年2月にかけて「防災世帯調査」を実施しました。各世帯の構成、病歴・介護歴。非常時での連絡先の調査とともに、保有している資格なども申告いただいています。

 防災世帯調査の効用について

 医師が2人、看護師が7名、介護士が2人、理学療法士、調理師や美容師、理髪師や手話通訳の資格者、アマチェア無線免許保有者もおられます。またチェーンソーを取り扱える人や、建築士もおられました。こうした皆様を「地域の資源」として大災害時にご活躍できるように対策をしていく必要性も感じました。

 質疑応答でもいくつか質問がありました。

「慢性疾患の人は病歴やくすり手帳も持参する必要性があることはわかりました。介護認定を受けている人などはどうすればいいのでしょうか?」

「介護保険書や介護に様子を書いた文書なども役に立ちます。」

「血圧の薬や血をサラサラにする薬も種類があり、飲む量も各人違います。薬手帳の持参は必要です。あるいは現物」

 「長期浸水地域であります。急病人が出た場合は搬送は可能ですか?」

「それに対しては症状によりヘリコプターによる搬送も必要です。」

「浸水地域にはヘリポートがありません。どう対策するのかはこれからの課題でしょう。」

 「マンションが避難所になっていますが、今説明されたことの訓練は必要なんでしょうか?」

「津波避難ビルはあくまで一時退避所です。今日のお話は避難収容所の話です。コミュニティ・センターや小学校のことです。」

 坂本茂男下知減災連絡会事務局長は、「現在私の住んでいるサーパス知寄町2のマンションが津波避難ビルとして防災拠点、長期浸水地区への支援拠点になりうるかどうかの調査をしています。国土交通省の支援事業が採択され、現在調査・検討中ですので、修了したらご報告します。」と言われました。

 大変充実した講演会でした。北村真由美さん、明神宏美さんありがとうございました。
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