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2015.01.13

NHK・ETVの吉本隆明特集は良かったです


Yosimoto

戦後史証言プロジェクト 日本人は何をめざしてきたのか 知の巨人たち 第5回 思想家吉本隆明」を視聴しました

 録画してあったETVの番組。夕食後じっくり見ました。結論は「わかりやすい」番組でした。なにかと用語の難しい(独特の表現が多い吉本隆明氏。自己表出とか指示表出とか)ので、著作を読んでいても途中でとん挫することが多い。

 「大衆」の寄り添い、つねに「大衆」の中を意識する社会思想家なんでしょうが、その表現は、「大衆そのものの」無教養な私はわからないし、退屈する部分が多い。

 しかし今回の番組は、大変わかり易かった。なぜ吉本隆明氏が戦後知識人を徹底的に批判したのか。「借り物」の西欧思想から日本社会を評論するのではなく、独自の概念構想で、独自の思想を展開できたのか。その背景が良くわかりました。

 600冊を超える著作と180回を超える講演。関わった多くの人達の証言から吉本隆明氏の生い立ちや考え方の背景が理解できました。(うちにも結構吉本さんの著作はころがっております。)
Yoshimototyosakusyuu329

 東京の下町の佃島の職人の家庭に生まれた吉本隆明氏。工業系の高校から大学へ進学するときも世の中にすぐに役立つ「実学」を志向していました。学友にも同じ境遇の人たちがおられました。

 工業高校や大学の同窓会も90歳で生存されていて、人となりを話していました。理工系の技術者でしたが、完全な軍国少年であり、いつ死んでも良いと言う覚悟に満ち合われていた人物であったそうです。

 それが8月15日の敗戦を契機に、価値観が180度転換し、軍国主義が否定され、弾圧・抑圧されていた民主主義や社会主義の思想が敗戦後の日本社会に一気に蔓延しました。それはおかしいのではないか。

 吉本隆明氏は意識は「軍国少年」のままで、戦後社会の知識人を批判します。その根拠は本人いわく「6年間研究に没頭した。」アダムスミスからマルクスまでの社会思想を勉強して世界の理解を得たということです。

 弟子であったともいえる高橋源一郎氏(小説家・評論家)は、「浮かない気分、腑に落ちない気分こそ吉本思想の肝要です。」と言われていました。おかしいことを、おかしいと言い切るために、吉本氏独自の猛勉強をしたのでしょう。

 吉本隆明氏同様に戦後思想を批判していた同世代哲学者の梅原孟氏は「丸山真男は、知識人の側にあって大衆を見下していた。知識人と大衆は対立する。吉本隆明は常に大衆の側側にいて戦後知識人を徹底批判した。大衆の現像は下町の職人生活にあるんだろう。生活の中に真実がある。」

 番組の中で吉本隆明氏は「言語にとって美とはなにか」の解説をしていました。

「人とコミュ二ケーションできなくても自分とコミュニケーション出来れば自己表出が出来ている。これが幹であり根であります。沈黙の幹であり沈黙の根であります。

 コミュニケーションは枝葉です、言語はコミュニケーションの1手段にすぎません。

 少しメモ書きしましたが、いまでもなんだかよくわかりません。

 また著作「共同幻想論」については、大衆原像の参考にしたのは民俗学者や柳田邦夫の「常民」・。個々人の生活が国家や共同体より大事である。人間の意味、社会の意味を徹底的に考えた人でした。

 上野千鶴子氏(社会学者は)「国家と個人の対立の概念は従来も言われていましたが、吉本隆明は重要な概念として対幻想(男女の性愛)を提示した。性愛を思想的に評価したパイオニアであり、自分のジェンダー論にも影響を受けました。空前絶後の思想家で世界に誇れる人であると思う」と言いました。

 そのあたりは納得できますね。個人の生活のほうが国家より大きい。今まさに安倍政権が国家主義的な政策を露骨に推進していますが、全く滑稽でおかしなことですね。

 父は失語症で言葉が不自由。母は認知症で「独自の世界」があるようです。言葉が不自由で、」社会常識に少し外れても、親子の対話は出来ますし、信頼関係があります。超高齢の両親とも生活能力はかろうじてあり、人格破壊までにはなっていません。

 「300M四方の町内から出られない私」ですが、海抜0メートルの地域から脱出は現在不可能ですが、家族を守り、会社を守り、地域社会を守るためには国を動かさないと駄目であると思うようになりました。

 思想的営為を構築する「参考書」に吉本隆明氏の著作のいくつかはなるとあらためた思いました。、また時間をこしらえて読んでみたいと思いました。

 過去吉本隆明氏の著作の感想文を個人ブログに書いています。
Yoshimotoshinganhon

  「真贋」(吉本隆明・著・講談社・2006年刊)を読んで

 http://dokodemo.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/post-0616.html

Akuninshoukihon

  「悪人正機」(吉本隆明・糸井重里・著・新潮社・2004年刊)を読んで

 http://dokodemo.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/post-d918.html

Oinikoufukuronyoshimotohon

 「老いの幸福論」(2011年刊。青春新書]を読んで

 http://dokodemo.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/post-8bfc.html

 比較的読みやすい著作しか読んでいません。

 吉本隆明さんが2012年の3月16日にご逝去されました。それに関する追悼文や感想文も個人ブログに書きました。

http://dokodemo.cocolog-nifty.com/blog/cat23170957/index.html

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