「日本の高齢者福祉」を読んで
「日本の高齢者福祉」(山井和則・斉藤弥生・著・岩波新書・1995年刊)を読みました。例によってブック・オフで108円で購入した書籍の1つです。
タイトルは「体験ルポ 日本の高齢者福祉」とあるように、筆者たちは介護施設などで、実勢に寝泊まりし、その施設で暮らしている高齢者と同じ生活を体験しレポートを書いています。時に大人のおむつも着用されたとありました。
著作が発行されたのは介護保険が日本へ導入されスタート(2000年)した以前の1995年。既にその時点で筆者は、兵庫県加西市の取り組みを評価しながら、以下のように述べています。
「早期発見、早期治療、リハビリがあってこそ、寝たきりを未然に防いだり,痴呆の悪化をやわらげたりすることができる。
「恥」と思って、家族が介護を抱え込むのではなく、早いうちから行政のサービスを上手く利用することが必要だ。寝たきりや痴呆について、家族が役所に気軽に相談できる体制にすることが大切と、加西市の保健婦さんたちは口をそろえる。
今までの行政といえば、「申請主義」で、福祉サービスを利用する人は少なければ少ないほうがよい、という「待ちの行政」であった。しかし加西市では。福祉サービスの利用を積極的に勧めるという早め早めの対応により、寝たきり老人を減らすことに成功した。
さらに加西市の保健婦さんたちは,市立病院とも密接に連絡をとりあい、保健、医療、福祉のコーディネーター的役割を果たしている.同市の調査(1991年)によれば、看取り満足度は高い。これは在宅ケアには医療・保健・福祉のすべてのサービスがもれなく切れ目なく提供されることが必要であることを物語っている。」(P148「在宅福祉の充実で寝たきり減少」)
13年前に既に介護予防の重要性が指摘されていますね。介護保険がスタートされる前から、「介護予防」の重要性が指摘されているのに、十分に行政側が予算と支援をしてきたようにありません。今事になって慌てて「掛け声」をかけ始めました。
それなりに参考になりました。うちも早くから「介護予防」の対策をしてきました。、無駄ではないことを改めて認識した次第です。介護予防リハビリへ両親は行き、運動能力低下を防いでいます。母は更に1日ディにも通所し、生活能力低下を予防しています。
私にすれば「自分事」。うちには95歳の父と89歳の母が在宅で同居していますから。狭い2階3階の住居で普通にいつまでも生活してほしいと思うから、介護予防に全力を尽くしています。
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