漫画で理解する商売の原則
毎週木曜日に発売されるコミック雑誌モーニング。こちらに「インベスターZ](三田紀房・著)の漫画が連載されています。中学生高校生が、投資を行う漫画です。女子中学生3人がお小遣いで株式相場や投資信託をやったりしています。
その仲良し3人組の1人の母親が、上品な老夫婦が経営している喫茶店を譲渡されることになり、母親が跡継ぎになると言う話がありました。喫茶のご主人は、600円のコーヒーの原価は10円。1日に2万円売り上げがあれば御の字だと。
常にお店のなかに3人お客がおる店であればいいんだとご主人はいいました。1人に33人来店すればいいということですね。
また個人営業の商売と、大資本の商売とは別物である。個人商店は個人商店に徹し、規模の拡大などやってはいけないとも言います。
女子中学生の祖父も友人の母親が喫茶店を経営することに賛同しました。日本は1960年代50%あった個人商店が激減し、いまや10%に。3代続いてサラリーマンなんてこともありうる時代になりました。そうなると日本の産業の未来は暗いと祖父は言います。
個人商店が商店街を形成し、自治体や国が制度融資をして商店街の改装や規模拡大を手助けしてきました。しかし大半は失敗し、商店街はシャッター通りになってしまいました。
やはり個人商店と大規模商業資本とは異なるものです。個人商店は身の丈以上の規模拡大をしてはいけないのです。
このままでは日本の経済もお終いかと思われましたが、個性的な個人商店の喫茶店などがむしろこれから繁盛する時代が来るかもしれない。そういう観点で祖父は賛同したのです。
その理由は「スマホが個人商店を復活させる」とのことでした。ほんまかいなかいなということですが、どうやら本当の話もいくつかあるようですね。
情報を手軽に得られないからとりあえずみんな目についたチェーン店に入っていた。値段が安くそこそこ美味しく、サービスも均一化している。大きく外れはない。誰でも安心して飲食ができるお店として定着した。
外食産業は大商圏に狙いを定め集中的にシェアを拡大急成長しました。日本国中が同じようなチェーン店だらけになりました。ジャンク・フード店や回転寿司店等が田舎町にも出来ました。
漫画ではこのように具体例をあげてわかりやすく説明をしていきます。
「スマホ時代の到来によってお店の評判から、なかなかわからなかった細かい情報まで,可視化され共有されるようになった。
すると均一的なチェーン店は一気にただの没個性で魅力のないお店へかわってしまった。
逆に消費者は検索で自分好みのお店を探すことになり価値を見出すようになる。そしてSNSを使って自ら情報発信することでさらに充実感を得る。
こうなると店主1人で切り盛りする個人経営のお店でも商圏内の大勢の客を相手にできたも同然。今まで世の中にほとんど存在を知られることがなかったのが、日本全国、さらには世界の人々にまでお店の情報を拡散して知ってもらえるようになりました。」
とあります。確かにそれは言えるでしょう。しかし「食ログ」でしたか、アルバイトを大領動員してSNSに大量の書き込みをしたり、時に「作為」のやらせも「出て来るでしょう。
市民各位には見抜く目もまた必要となります。いやはや漫画から得られる情報も多いことを思い知りました。
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