JICA留学生の皆様との意見交換会
高知大学准教授の大槻知史さんのご紹介で、JICA留学生の皆さんとの意見交換会が2015年8月25日午後1時から、下知コミュニティ・センターで開催されることになりました。
JICA留学生と言いましても学生ではなく、それぞれの国へ戻れば国家の防災担当官なのです。ソロモン諸島、チリ、スリランカ、ジャマイカ、エクアドル、フィジー、ペルー、パプアニューギニアから来られるそうです。15人ぐらいだそうです。
さて意見交換会当日ですが、留学生の皆さん方は時間前に来られて着席されている。世話役の大槻先生が到着が遅れたようで、大学側の挨拶もなしに、いきなりプレゼンをややってくれとのお話でした。なんだか想定が違っています。
「市民目線での防災対策」というテーマで、行政に全面的に依存しない、住民同士のの助け合いと、デジタル機器に過度の依存をしない避難方法や地域コミュニティづくりの提案をし、留学生の皆さん方との意見交換を行いました。
しかしこちらが日本語でお話しするのを、プロの通訳の女性が英語に訳して話します。総じて日本語より英語が長い。どこで話を切っていいのかよくわからないまま話しました。
果たして留学生の皆さんにこちらの活動内容が理解されたのか?と思いきや早速質問が来ました。
「50メートルに1つ津波避難ビルを設置する意味は理解した。地域の危険な個所のチェックなどのハザード・マップは作成しないのですか。」と。
「今後はこしらえて行く予定です。地域の子供たちも含めて防災まち歩きをして作成して行く予定です。」
「地域内での情報伝達方法は、国際信号旗以外はありますか?」との質問。
早速若松町自主防災会の横田政道さんにお借りした鐘を鳴らしました。
「鐘や国際信号機、携帯トランシーバーなど、情報インフラに依存しない情報伝達方法を地域で研究しています。」と回答しました。
提案した内容の日本語版は、アップしていますので、ご参考ください。(下段に掲載しています。)
2番手は坂本茂雄さん。下知減災連絡会の全般的な活動内容の説明をされました。また取り組んで2年目となるマンション防災計画の取り組みなども紹介されました。
私と坂本茂雄さんのプレゼンと質疑応答が終わり、休憩時間になりました。横田政道さんが、ベランダに国際信号旗を掲揚しました。「救助要請」と「訓練中」の意味です。JICAの留学生の皆さん方も興味深そうに見ていました。
後半は「さすけなぶる」という避難所運営の意思決定ゲームを大槻知史さんの説明でやりました。東日本大震災で一時は2500人が避難生活をした福島県の大型避難施設ビックパレット福島。そこでの体験を元に開発されたゲームです。
6人程度の班に分かれて、大槻先生が課題を出され、班内で個人の意見を出し合い、班としてまとめ発表する。そういう形式のゲームです。例題が出ました。
「2015年8月25日に南海トラフ地震が発生。浸水と津波を逃れ、避難しています。避難者の大半は高齢者であり、乳幼児もいます。1週間の孤立の後、自衛隊の救援物資が来ました。200人いる避難者ですが、150人分のおにぎりしか来ません。さてどうしますか?」と言う問いかけにめいめいが回答するという形式です。
この狙いは「避難所の運営は公平ではなく公正である」ということです。ゲームを通じてついやってしまいがちな「排除」「隔離」「無視」「我慢の強制」をしないことを会得するために開発されたゲームです。
結論は「想像力を養うこと」です。「コンセプトをしっかりもち、現場が臨機応変に対応し、上層部が支援する体制づくりが必要」であるということです。
午後1時から5時までの4時間、上空を英語が飛び交い、得難い体験でした。頭が疲れました。
提案したプレゼン資料です。 ↓
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