宮古市長・山本正徳さん防災講演会
2015年12月5日は、高知市鷹匠庁舎にて、岩手県宮古市長山本正徳さんの防災講演会が開かれました。高知市自主防災組織連絡協議会(久武邦雄会長)の主催。下知減災連絡会の森宏会長から案内を戴いていましたので、聴講にいきました。
参加者は80人。下知からは私と若松町の横田政道さんと福谷若松町町内会長も参加していました。久武会長や高知市長の挨拶がありました。
高知市長は「沿岸部では津波避難センターを2か所、津波避難タワーを9か所建設。学校の耐震化工事は今年度中に完成します。」「イオンの隣に来た消防署を平成29年度に建設します。その後南消防署を筆山の付近に移転させます。」と述べられました。
しかし15万人とも言われる高知市の低地の市街地(下知地域)の長期浸水対策などには言及が全くなく、「全く高知市として何もしていない。」のが現状です。
山本宮古市長の講演が始まりました。滑舌は爽やかでとてもわかりやすい話し方でした。
まずは東日本大震災の宮古市庁舎前の東日本大震災時の映像を見せていただきました。沖合から大津波が陸地に迫っていますが、海岸沿いの堤防で見えないために、自転車や車が走行しています。
「海は青いものですが、津波は海底のヘドロを巻き込むため真っ黒い水の壁でした。当時市庁舎の屋上からは海の様子が見えますので、大声で職員たちは通行されている人に、高台へ逃げろ!!津波が来る!!と叫んでいました。」
宮古市役所前は津波で浸水。市役所1階も津波で破壊されていました。
「三陸地方は、30年以内に80%の確率で地震が起き、大津波が来ると予想されていて、準備もしていましたが、宮古市で517人が亡くなりました。高知でも同様に30年以内に80%の確率で南海地震が起きると言われています。事前の準備は必要です。」
山本市長は印象に残る言葉を言われました。
「津波が襲ってくるのではない。津波が来るところに市民が住んでいるのです。」。ハワイの宗教者の言葉であるそうですが、低地の海がすぐ近くの高知市二葉町等の下知地区。まさにそうでありますね。本来人が住んではいけないところに、私たちは住んでいますから。でも個人では高台へ移転すら出来ません。土地が売れないから自力移転はもはや事実上不可能です。
山本市長は、「大声で津波が来るぞ、早く高い所へ逃げろ!!」と勇気を持って大声を張り上げることを習慣化してください。黙々と自分たちだけが逃げるんではなく、大声で他の人にも知らせてください。」とても大事なことと思いました。
山本市長は田老の出身。自宅も田老にありました。大津波は田老の二重の高さ10Mの防潮堤を超え住宅街を襲いました。市長の自宅も被害を受け、避難所生活もされたそうです。
「慶長の大津波は1611年。400年後に東日本大震災の大津波が来ました。歴史に学ぶと言うことも必要です。災害を経験した人の話を普段からしっかりと聞いて、先人の教えを学ぶことも大事です。」
「地震津波で亡くなってはいけません。人間生きてさえいれば、様々な可能性があります。」
「ヘルメットやライフジャケット(救命胴衣)は常に着用できるようにしておきましょう。」
「自分で自力で逃げる人は、津波てんでんこ。自力で逃げれない人をどうするのか考えてください。」
「消防部署は、津波到達予定時間の10分から15分前に救助を打ち切り避難することにしました。ルールをきちんとこしらえました。」
「トイレは大事です。避難用リックの中にも携帯用トイレを準備しておいてください、」
「道路の確保は大事です。ヘリが降りる場所の確保も、支援物資や怪我人の輸送などで必要です。」
また山本市長は地域コミュニティの重要性を強調されました。
「災害直後も、避難所生活も地域コミュニティは大事です。地域コミュニティがしっかりしているところは、再建・再興が早いです。避難所運営も地域コミュニティが主導した地域は復興が早くなっています。市として自主防災会の活動の支援を行っています。」
大変わかりやすい講演会でした。現実の体験にもどづかれていますし、宮古市の復興・復旧の先頭に立って指揮されておられるトップ・リーダーの気概を感じました。
質問をさせていただきました。
質問「お話の中で3件間は元へ戻していく時期。次の3年間は再生期間。そして3年間は発展期とされています。多くの自治体で身の丈以上の復興事業をやり続けていますが、宮古市は大丈夫ですか?神戸市長田区などは、6000億以上の復興事業が行われましたが、町は寂れ、人口流失しています。
回答「高台の防災集団移転事業と、住宅を建てることの出来ない危険地域の指定は、市民と何度も話し合い決めて行きました。まちの規模や将来像を見据えながら住民との意見交換を何度も繰り返しました。」
地域コミュニティ重視ということを市長自らが常に言われていますので、きちんとそのあたりはされておられると理解しました。
救援は海からやってくる
、講演終了後名刺交換し、少し話をしました。海に近い海抜0メートルの高知市下知地域の現状を手短に説明しました。山本市長はこう言われました。
「皆さん救援は陸上とばかり考えられていますが、海からの救援を是非念頭に置いてください。海上自衛隊の輸送艦は、あらゆる事態に対応できる装備があります。偵察ヘリも2機搭載しています。
海上保安庁や大型商船なども救命艇として活用することは高知市も考えるべきです。」と言われました。なるほどと思いました。
横田政道さんが「国際信号旗」を避難所で活用しようと言うことも、救援支援は下知は海からを想定しているからですね。自分たちのやっていることは間違っていないことが良く理解できました。大変有益な防災講演会でした。
「地域コミュニティの重視」と「救援は海からやってくる」ことを学び、ました。最近落ち込んでいましたが、元気を与えていただきました。
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