土佐経済同友会のパネルディスカッションを傾聴しました。
2016年4月30日は、土佐経済同友会(吉澤文治郎代表幹事)主催の長島忠美復興副大臣の講演会「来るべき大震災に備えるために家族の絆づくりと心構え」が第1部であり、第2部は長島忠美さんと、吉澤文治郎代表幹事と尾﨑正直高知県知事のシンポが行われました。コーディネーターは黒笹慈幾氏(高知大学特任教授)でした。
コーディネーターの人は良く知りませんが、長年大手出版社におられ、長島忠美さんと面識があり、定年後高知へ家族で移住された人。高知大学特任教授にならています。
http://www.kochi-rc.jp/faculty_member/694/
知事に続いて、吉澤文治郎代表幹事の土佐経済同友会としての南海地震対策のプレゼンテーションがありました。
おおむね第1部で講演された長島忠美氏と同調するような提案でした。
「提言1は、被災関連死を防ぐ運営主体や役割を明からかにした避難所の整備の推進
提言2は、地縁保護を考えた避難所ー仮設住宅ー復興住宅 入居の体制確立です。(震災関連死の防止)」と言われました。
地縁。地域コミュニティを重視する災害対策を経済団体がきちんと提言することは大きいです。私たち下知地域の住民は独自に地区防災計画を立案すべく活動しています。それは「事前復興計画」であり、「しあわせになるまちづくり」なのです。希薄になりがちな都市市街地の地域コミュニティの再建・再興が、南海地震対策になるという点では、はからずも土佐経済同友会とは同じ方向を向いています。
下知地区防災計画について
http://futaba-bousai.cocolog-nifty.com/blog/cat61923511/index.html
尾﨑正直高知県知事も「つくることが目的の防災計画は無意味ですよ。」
吉澤文治郎代表幹事は「どう魂を防災対策に入れていくのか。どうブラッシュ・アップするのか」
長島忠美復興副大臣「神戸の大震災は他人事でした。自分たちが罹災し、全村避難するといかに家族の絆、地域の絆が大事であるかが、村民みんなが理解した。避難所の真ん中に新聞紙を敷いて、皆が集まって一緒に食事する風景が見られました。」
共通する話題は「揺れから守る」「津波からどう逃げる」段階から、避難所で「助かった命。どう命を守る」ことをして、「どう地域を復旧、復興するのかが決まる」ということです。
長島忠美復興副大臣は、「本当は行けない事なんでしょうが仮設の空き地に野菜を植え、ビランティアで支援に来てくれた人たちにお礼に送ろうと言うことが住民から上がりました。そしたらアスファルト剥いで畑にしてやればと言いました。
野菜を送ったらまた繋がりが深くなって、その繋がりは12年経過した今も続いています。私も霞が関へ行くときは、山古志の野菜ですと配りました。」
キーワードは「地域の繋がり」と「人間力」でした。
話は多岐に及び教訓もいろいろありました。感動し聞き入っていて、メモが疎かになりました。
今回の土佐経済同友会主催の講演会とパネルディスカッションは内容が濃く、素晴らしいものでした。関係者に感謝申し上げます。
次回は経済人ですので1歩踏み込んで、食料支給や資材の供給で事前対策と災害時の物資供給につながる流通ポイントの提言などをお願いしたいと存します。
熊本地震でも全国からどんどんくる支援物資と避難所をとの情報共有がうまくなされていないように思いました。流通業者や商業者、運送業者はいわば「仕分けのプロ」です。そのあたり流通団地を高台にこしらえ、それを仕分けセンターにするとか。いろいろアイデアは出てくると思います。
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コメント
知事も「はじめの1歩」でしょう。複雑怪奇な「第3次南海トラフ地震対策」を簡潔にわかりやすく説明するプレゼン力は大したもの。
さすがは国家官僚していただけのことはあります。官僚向けのプレゼンは完璧ですね。より多くの対策費用を国から引き出したことは確かです。
問題は「これから」で、住民と行政が「協働」で一緒に仕事ができるのかということですね。それは見据えないとわかりません。
投稿: けんちゃん | 2016.05.08 18:29
検索から訪問しました。
県知事の言葉の一節を読んで吹き出しました。
揺れの最中に町を飲み込む可能性のある場所に津波シェルターを作るなどという知事
大きな災害時はまず自分が逃げるが基本
それをコミュニティだ地域だと言うと、逃げられなくのは先の震災でもその前の災害でもいつでも言われる事
こんな人に防災が出来るはずが無いですよ。
自分がその身体で怖い目にあった事無いものにそれはわからないですよ。
投稿: のすひろ | 2016.05.08 10:09